【雑記 美術館・展覧会めぐり】大竹伸朗展 | 東京国立近代美術館
「時間」とか「記憶」とか、抽象的なテーマをどう伝えるのかは難しいことです。私もいま「超高齢社会」というざっくりした曖昧な言葉をどう切り取るかに悩んでいます。
絵画や音楽で「これは時間がテーマなのね、ふーんそうなのかもね」と、いまいちピンとこなかった経験をお持ちのかたも多いと思います。
曖昧なものを伝えるのは難しいのです。
東京国立近代美術館で開催している「大竹伸朗展」に行ってきました。
アートというと「0から1」のイメージがありますが、大竹伸朗は世の中に存在する”あらゆるもの”を切り貼りして作品をつくります。
それは、チラシや切符、写真、道に落ちているネジ、看板などなど、さらに自分自身の「夢」も材料であったりします。
作品に貼ってある菓子の包み紙や新聞の切り抜きは、もとの「モノ」としての意味が失われていて、不思議と作品の一部になり、何かが伝わってくるのです。
会場にいる子どもたちが一様に「はやく帰ろ」「はやく行こ」と親に訴えているのをみて、この奇妙なスクラップブック作品から、「時間」や「記憶」みたいな不穏なテーマを無意識に感じているのかなと思ったり。
これだけの作品量を一気にみせられて、あれ?大竹伸朗について全然知らなかったんだな、やっぱりすごいもんだとあらためて感じたのでした。
展覧会めぐり、刺激をもらえてほんとうによいです。
つぎはどこに行こうかな。
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大竹伸朗展 | 東京国立近代美術館
2023年2月5日まで