セキュリティアソシエーション
SA
Security Association
その答えに関係するのが、IPsecで規定されているセキュリティ・ アソシエーションという概念です。セキュリティ・アソシエーションは、 鍵や鍵を利用するアルゴリズム、鍵の寿命、鍵を共有する相手などの、 鍵に関係する情報を集めたものです。
「セキュリティアソシエーション」(SA)の概念は IPsec の基本となるものである。AH および ESP の両方が SA を使用し、IKE の主要機能によって、セキュリティアソシエーションの確立とメンテナンスがなされる。 セキュリティアソシエーション(SA)は、それによって運ばれるトラフィックに対してセキュリティサービスを提供する単方向の「コネクション」である。セキュリティサービスは、AH または ESP のいずれか(両方ではない)を使用することによってSA に提供される。AH および ESP 保護の両方がトラフィックの流れに対して適用される場合は、そのトラフィックの流れを保護するために複数の SA が生成される。
セキュリティアソシエーションは、セキュリティパラメータインデックス(Security Parameter Index(SPI))、IP 宛先アドレス、セキュリティプロトコル(AH またはESP)識別子の 3 つによって一意に識別される。
結局、セキュリティアソシエーションは IPsec 環境においてセキュリティポリシーの実行のために使用される管理構造である。従って、SA 処理の重要な要素は、どのようなサービスをどのような形態で IP データグラムに提供するかを指定する、基本的なセキュリティポリシーデータベース(SPD)である。 鍵交換プロトコルIKEは「鍵を生成、更新、管理する」と説明しましたが、 実際には、SAを生成、更新、管理しています。SAは、鍵に関する情報の基本単位であ り、鍵だけが独立に扱われることはありません。 鍵交換プロトコルが管理するSAをIPsecが利用するために、SAにはSPIという識別子が 付けられています。IPsecは、SPIに基づいてSAを検索します。 また、SAは原則として、一方向の通信したサポートしません。したがって、双方向の 通信を行う場合には、2つのSAが必要になります。また、同じホストの間でSAを張る場 合でも、アルゴリズムなどの属性が異なる場合には、別なSAが必要です。