Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権
はじめに
Midjourney、Stable Diffusion、mimicなど、コンテンツ(画像)自動生成AIに関する話題で持ちきりですね。それぞれのサービスの内容については今更言うまでもないのですがMidjourney、Stable Diffusionは「文章(呪文)を入力するとAIが自動で画像を生成してくれる画像自動生成AI」、mimicは「特定の描き手のイラストを学習させることで、描き手の個性が反映されたイラストを自動生成できるAIを作成できるサービス」です(サービスリリース後すぐ盛大に炎上してサービス停止しちゃいましたが)。
で、この手の画像自動生成AIのようなコンテンツ自動生成AIですが、著作権法的に問題になる論点は大体決まっていまして、画像自動生成AIを例にとると以下の3つです1。
▼ AIソフトウェア2を生成するために他人の画像や文章などの著作物を勝手に収集して利用することができるか(論点1)
▼ 自動生成された画像に著作権が発生するか(論点2)
▼ 学習に用いられた画像と同一の画像が『偶然』自動生成された場合、著作権侵害に該当するか(論点3)
Twitterで「自動生成された画像に著作権が発生するか」についてツイートしたところ、沢山の方々に反響を頂いたので、本記事では、この3つの論点について詳細に解説をしたいと思います。
https://gyazo.com/439355607b67d9904bc878223fe201e0
論点2
日本を含むほとんどの国の著作権法の下では、著作権が発生するのは人間の創作物に限られ、人間が創作に関与せずAIの利用により完全自律的に作成されたコンテンツには著作権が発生しない扱いとなっています6。
で、すぐに判ると思うのですが「人間が創作した」と「人間が創作に関与せずAIの利用により完全自律的に作成された」の線引きをどこに置くかが大きな問題です。
要するに、人間がAIを道具として利用したにすぎないのか、AIが完全自律的に生成したと言えるのかどうかですが、日本での議論では、この点は人間に「創作意図」と「創作的寄与」があったかによって判断されるとされています7。
「創作意図」は通常はあるので、「創作的寄与」、乱暴に言い切ると「人間がAIの利用に際して具体的かつ詳細な指示をしたか」によって著作物性は判断されることになると思われます。
これ、逆に言うと、人間が簡単な指示しかしていなければ、生成された画像がいかに独創的で素晴らしいものだったとしても、著作権は発生しない、ということです。