127-20181211 もう、「子供でいい」とは言わないが…
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最近、この手の本をよく読みたくなります。トシのせいかもしれませんが。
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ここで言う「本当の大人」というのは、成熟した大人。特に人生の後半を迎えた50代あたりを想定して書いているようです。
冒頭部でキーワードとして「人生の使命」「こだわりぬくこと」「静かな、深い孤独」といった言葉が出てきて、正直自分にはついていけるだろうか?と思いました。今年(おそらく軽度の)うつを経験した自分にとって、かなり高い目標に思えるからです。
一方で、筆者は「距離をとる」あるいは「バランスをとる」ことの重要性を強調しているように思います。先ほどのキーワードは主に後半に出てくるのですが、前半部では「諦める」ことの大事さを説いています。
成熟していく人間とは、その思い通りにならないことを受け入れつつ、だからと言って絶望することなく、それでも前を向いて生きている人間です。そのためには、人生は諦めざるをえない苦しみの連続であるということを知っておく必要があります。
つまり、人生の使命といったものに(ある意味)執着する一方で、諦めることも大事だ、と言っています。「現実を直視しなさい」といっても、向き合うのは大事だけれど、そんなに人間は強くない。だから上手に見ないようにすることも大事である。そのためには自分の悩みに対して「距離をとる」をとること、さらには受け入れがたい現実を少しずつ、ゆっくりと受け入れることが大切だ、と筆者は指摘します。
あるストレスとなることが発生したとき、これを真正面から受け止めると、かなりきつい。そこで、まず「ちょっと待って」と言って突き放し、さらには時間をかけて少しずつ受け入れていく、というのは、受け入れやすい方法かもしれません。
さらには「完全主義」を人格の未熟さの現れ、と指摘します。「完全」を「未熟」ととらえる考え方はあまり聞いたことがありませんでしたが、「バランスをとる」ことを重視し寛容さを重視する筆者の視点からすると、「完全」は「未熟」に結びつくことになるのでしょう。
また「完全主義」はうつにも結びつきやすい、と筆者が指摘しており、これもある程度納得できます。私自身のうつは「完全主義」が原因だったのかどうかわかりませんが、「ちゃんとやらなきゃいけないのに、もうできない」と思ってしまう、ということはある程度完全主義の影響はあったのかもしれません。
後半は、先ほどのキーワード「人生の使命」「こだわりぬくこと」「静かな、深い孤独」に関して、いくつかの具体的な手法も取り上げつつ説いていくのですが、私は理解できたかどうか自信がありません。人生の使命を追求することを否定するわけではない。ただ、追求したけどわからなかった、というのはありうる話で、一方でその追求の過程で残ったものは、何かの糧になるような気はします。
私にとっても、人生の後半戦は、まだ始まったばかり。もう「子供でいい」とはさすがに思わないけれど、自分の人生の使命のことを少しは考えつつ、考え方を少しづつ変えていけたら、と思います。