111-20180501 子育ての人のMP戦略?(2)
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前回の続きです。
実は当の連載の中でも「MP」の厳密な定義がなされないまま議論が進む、という不思議な連載なのですが、気力面等を含めた広い意味での「体力」ととらえてまちがいなさそうです。で、わたしの妻や、ふたりいる子どもの一方はADHD的な傾向があり、すごく簡単に言うと基礎の「体力」が明らかに人並みより少なくて疲れやすい。そこを突破するにはどうすればいいか?という面でも、この連載を楽しみにしています。
最近の連載で、倉下さんが方策として、以下の4つをあげています。
1,MPを底上げする
2,MPの無駄遣いを避ける
3,適切にMPを使えるようにする
4,MPを回復させる手段を持つ
1,はやはりかなり大変です。普通の人でも大変であり、ADHDの方に至ってはそもそも普通レベルに引き上げるのが(脳の特性上)不可能か、薬の力でなんとか引き上げているという状態です。
したがって、2,がかなり重要なファクターになるでしょう。妻は、その気が散りやすいという特性上、言ってみれば常時無駄遣いをしやすいですし、特になにをしでかすかわからない子どもの対応は、不可避的にMPの無駄使いを促します。
ただ、とくに子育てにはいえるのですが、どういう対応が「無駄」でどういう対応が「適切」かは非常に判断しづらい。つまり上記2,と3,の境界線は、とてもあいまいなのです。妻が思いつきでやってみて「そりゃダメだろう」と思っていたことが案外子供たちには受けたりすることがままあります。
家事や食事を作るように子どもがあまり介在しないものとか、純粋なセルフマネジメント(例えば出社の準備を整えるとか、通勤時間の行動とか)には2,がとても重要です。通勤においてラッシュを避けるとか、立たざるをえないとしても気分のいい音楽を聞くとかは典型的な2,の行動です。
しかしある程度のMPの「無駄遣い」が不可避である子育ての場合、最も重要なファクターは4,であるような気がします。これの有無が本人のQOLはもちろん、子育てのクオリティーにも直結するのです。しかしあまたある子育ての本は上記2,と3,の対応に大半を割いており、4,の重要性にはあまり触れられていないような気がします。書いてあっても付け足し程度に思えてしまう。
まぁ、子育ての定石としてまだ書きやすい2,や3,に比べれば、人によって千差万別な4,なんて書きようがない、というのはわかります。さらには、子どもを保育園に預けて気晴らしに映画を見に行く、というだけで多数の突っ込みを受けかねないこの社会では、なかなか4,を前面に押し出すのは難しいのかもしれません。
子どもが落ち着かないと気晴らしをやってはいけないのではないか、と思ってしまう。これは日本人の特性なのか親としての本能なのかはわかりません。ただ、子育てに限らず、すべての環境においてMPを無駄遣いさせる要素が昔に比べて飛躍的に増大している状況においては4,は絶対に忘れてはならない要素だと思います。
本件は、時期を置いてまた続きを書きたいと思います。
のきばトークで本連載は「まだまだ序論だ」とおっしゃっているので。