054-20160308 完璧主義という名の「異状」からの脱出(1)
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いやあ、こういう本を待っていました。特に今のような精神的につらい時期には、大変ありがたいです。https://scrapbox.io/files/60652a25196687001c182530.jpg
私はある意味この本の想定読者ではありません。言っちゃなんですが、仕事は「手抜き」してます。そうしないと残業なしで早めに帰宅なんてできないからです。
一方、私は家事育児に関して完璧主義に縛られています。子供のため、家族のためにできる限りのことをしなければならない、と時々思い込んでしまうためです。できる限りのことを「してあげたい」ではありません。
いろいろやっても、妻の体調や精神状態が一向によくならない。さらに、妻から怒られた時など、これまでの努力が全て無駄だったのか、と思うときがあります。なんとかならないのか?
まず、この本を読んで救われた、と思ったのは、たしかに日本人には完璧主義者は多いし、いいこともあるけれど、完璧主義は「正常ではない」、とズバリ言い切ってくれたことです。
仕事のミスが少ないのも、よいことでしょう。
しかし、仕事のミスが全くない状態を目指すというのは、多分正常でいるための何かを失う結果になるだけです。
完璧というのは、普通に幸せに生きようという人が目指すべき目標ではないのです。
有り得ないことを求めるのは正常ではないのだ、幸せではないのだ、と繰り返し述べています。繰り返し言わなければならないほど、そんな考えに染まってしまう人が(私を含め)多いからでしょう。で、そもそも、なんでそんな状態になってしまうのか?
人間は、完璧な存在などではないからです。
完璧主義と呼ばれるひとたちも、そのことは薄々わかっているはずです。どこかで手抜き、妥協を迫られていると。
ではどうしてそれができないかというと、実は「怖いから」なのです。完璧を追求し、そのために妥協せずにどこまでも頑張ったという事実を、自分の中で保っていないと、不安となのです。
完璧主義は不安と結びついている。これがわかっただけでも収穫でした。
日本人はそもそも「不安がる」人が多い。これは歴史的文化的背景もあるのでしょうが、とにかく何か異常なコトが起こってしまうと、些細なコトでも過剰反応してしまう。だから前に進めない。
それに対する回答は、この本にもある通り、とにかくやる、少しでもやる、確信がなくてもやる、ということなのでしょう。結果はどうであれ、前進すること自体が大事なんだ、と。このブログも、そんなわずかな前進の足あとなのかもしれません。
以上のようなことは、いろんな方がブログに断片的に書いてあるのを見かけるのですが、ここまでまとめて書いてあるのを見たのは初めてでした。やはり、本は本としての価値があるなあ、と思いました。
この項、続きます。