2023年発表作品/城下シロソウスキー
電磁調理器で胸肉茹でながら見ている字幕つきの美味しんぼ
〈2023.2 ねむらない樹vol.10 読者投稿 内山晶太選佳作 テーマ「電」〉
遠目から見た週刊誌の装丁が花火セットのようではしゃげた
噴き出して1/3減ったけど夏の終わりにそれが良かった
〈2023.9 歌会たかまがはら9月号 斎藤見咲子選 テーマ「ラッキー」〉
改札の外側にある薄暗いトイレのことも忘れずいたい
「中野駅前から空が減っていく」とか思うのも今だけかなあ
新感覚スイーツ店の軒先に佇めるのはつぶれてたから
閉館のサンプラザ前で撮っている人座る人みんな冬服
〈2023.12 短歌でナカナカ会 吟行作品〉
半セルフレジがハモってすごく効くASMRの感が出る
補聴器を外せば蝉が聞こえなくなって女の子が駆け抜けた
ジュニアアイドルのリプライ欄に差す太陽光が傾いている
物の価値 それがポルノと結びつき積乱雲になってく、夏の
生前の飯島愛が今でいうジビエを食べながら微笑んだ
〈2023.12 # 2023年の自選五首を呟く〉
(出典)すべて『半夏生の本5』より
長袖をずっと着ている先輩に理由を聞いていいのだろうか
絢瀬絵里を肩にとまらせながら来るかなり巨大な東條希
東條希が「わしわし」と呼んでいるひどい行為の詳細が明かされる
〈文フリ無料配布ペーパー〉
『半夏生の本 5』(2023.11)
「関係性と広い川」30首
「シュート」30首