自選五首2024
2024年の自選五首を呟く/城下シロソウスキー
春祭りに来た親戚じゃない人に都市伝説を教えてもらう
夕立がエクステリアを濡らしてく 今夜は花火大会がある
三月はコミュニティFMで聞くお悔やみ情報のピアノ曲
いつからか揺れっぱなしのパーカーの紐を帰り道で蝶にする
仕事場のドアをセイロの蓋を取るように勿体ぶってひらいた
次点
リフレッシュルームの喫煙ブースにはグルーヴがある グルーヴを見る
涼しくはあまりならない暮れ方に晴雨兼用傘差すふたり
大げさに誰かのことを褒めるとき東京湾は汚れるばかり
春暖炉 小児性愛者のふりをして友達になろうだなんて
ゆるやかな坂道に足、ローギアに入れて登坂をしていく感じ
曲間にブランクのないグラインドコアのアルバムみたいな日々に
わからないルールを守っていくときに野性のような機敏さがある