ハンス・ヨナスを読む
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目次
はじめに
未来への責任/現代思想のなかのヨナス「/ヨナスの哲学」を描き出す
第一章 ヨナスの人生
ヨナスの少年時代/学生時代のヨナス/古代グノーシス主義の研究/亡命と戦争/アメリカへの移住と晩年/ヨナスの著作の特徴
第二章 テクノロジーについて――技術論近代とテクノロジー/無限の「進歩」への自動運転/テクノロジーと科学/科学の没価値性/テクノロジーの没価値性/テクノロジーがもたらす破局/未来への責任/生命への眼差し
第三章 生命について――哲学的生命論
生物学の問題点/哲学的生命論の構想/生命の本質としての代謝/自己、世界、時間/死の可能性/生物種の進化/哲学的人間学へ
第四章 人間について――哲学的人間学
ホモ・ピクトル「/像」という概念の構造「/私」とは何か/人間像の形成と歴史/歴史を紡ぐものとしての人間/過去の理解/倫理の問題圏へ
第五章 責任について――責任概念の構造
生命の自己肯定/それ自体としての善の呼び声/責任の対象の条件/子どもへの責任/責任の主体としての人間/責任の審級としての存在全体/人類の存続への責任をどう基礎付けるのか
第六章 未来倫理について――形而上学的演繹
責任の可能性への責任/存在論的命令の二重性――事実と質/危機の二重性/歴史の可能性への責任/恐怖に基づく発見術/未来の形而上学の仕事
第七章 神について――神話の思想
瞬間における永遠への直面/行為の不死性/神話の思想/宇宙創成の物語/無力な神/私が神を守る:殺された人々のために
おわりに
アーレントからの批判/ガダマーからの批判/アーペルからの批判/国際社会における受容/哲学者であると同時に、ユダヤ人であること
あとがき
出版社からのコメント
日本初となるハンス・ヨナスの入門書。マルティン・ハイデガーの弟子であり、ハンナ・アーレントの親友でもあったハンス・ヨナスは、欧米では著名な哲学者でありながら、今まで日本ではあまり注目されることはありませんでした。しかし、その生命倫理や科学技術倫理に対する考察は、非常に今日的なテーマとして、じょじょに関心が高まっています。『Jポップで考える哲学』(講談社文庫)を上梓、哲学カフェの主宰など、1988年生まれの若手ながら、哲学をわかりやすく広めることに定評のある著者が、自身の専門とするハンス・ヨナスについて初学者でもわかりやすい1冊として彼の哲学をまとめました。
装画 太田陽博
内容(「BOOK」データベースより)
ハイデガーの弟子であり、アーレントの親友でもあったハンス・ヨナスは、欧米では著名な哲学者でありながら、今まで日本ではあまり注目されてきませんでした。しかし、生命科学や科学技術をめぐる彼の考察は、非常に今日的なテーマとして、徐々に関心を集めつつあります。初学者にもわかりやすくまとめられた日本初となるハンス・ヨナスの入門書です。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
戸谷/洋志
1988年、東京都世田谷区生まれ。専門は哲学、倫理学。大阪大学大学院博士課程満期取得退学。大阪大学大学院医学系研究科医の倫理と公共政策学教室特任研究員。現代思想を中心に、科学技術をめぐる倫理のあり方を研究している。第31回暁烏敏賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)