シーニュの恣意性
先に全体があって、その言語を使用する共同体が認識した差異によって区切られた結果が名前や記号であるとする考え方。
フランスでは蝶も蛾もパピヨンと呼ぶ
分類学的には、蝶とされているけど実は蛾だったりその逆もあったりする
日本ではフランスと違って蝶と蛾を区別して捉える
イネにつく害虫を蛾と呼んで区別し、そうでないやつを蝶と呼んだのだとか
「こいつは蝶、こいつは蛾」と先に対象があって名がついたのではない、ということ
言葉は星座
夜空にサソリや天秤は実際にいない
〈夜空を見上げた人たち(同じ言語を使用する共同体)〉が、恣意的に切り取って名付けたものが〈星座(言葉)〉
文化の違うコミュニティでは、同じ夜空を見ても区切り方は異なるので、意味同士は重なる
他の例:
虹を7色にみる日本人
3色で分ける共同体もあるのだとか
マグロとカツオ
英語では両方 tuna
日本人にとってのウサギ
イギリスでは、ラビット rabbit とヘア hare を分ける
ペットかそうでないかが重要だった
英語圏ではマウス mouse とラット rat は別の動物として想起されるのだとか
日本語にも一応「ハツカネズミ」みたいな言い方はあるけれど、全部ネズミを思い浮かべる気がする
フランス語のchien
犬であり、狸でもある
英語の upper lip は、上唇だけでなく鼻の下の部位も含む
これは英語だけで、ドイツ語やフランスのこの箇所に該当する言葉は、日本語と同様に「上唇」の部位だけを指す 「肩が凝る」という感覚は日本人だけ
他国では「背中が痛い」という
肩って本当はどの辺りなんだろう?案外、謎。
「あ」の発音
英語では、/ æ / と / ʌ / は別の音
“cat”の“a”(/ æ /)
“cut”の“u”(/ ʌ /)
全然違う。けど、
日本語では両方「あ」の発音
黙談.iconでは、
例えば「木製ピースの渡し方」という身体表現自体が記号化し、 そのグループ(共同体)で認識した区切られ方で意味が現れる
みたいな現象が起こっていそう。