『ボードゲームで社会が変わる: 遊戯するケアへ』
https://gyazo.com/f038d4fb5244d39a3b10b76b9de164dc amazon 河出新書, 2023/11/17.
本書のテーマは
「ボードゲームを思想にする」
サブタイトルの「遊戯」は「ゆげ」
あくまで自然体で当たり前のことのようにカジュアルにやる善行が「遊戯(ゆげ)」
「遊戯(ゆげ)」と逆のこと:正しいっぽい目的に対して、人が「無理」や「我慢」をしてでもその目的に貢献せよ、という発想。 共同性の儀式なきポスト近代社会
現実のあらゆるルールや規範が、設計者の有利になるようになっていると疑われる。それがポストモダン的状況。 結果、必勝法ばかりの絶対視。「自分だけ勝てればそれでいい」という発想。
アナログゲームにはハウスルールの余地がある。アーキテクチャが頑強ではない。デジタルゲームはハッキングしないとルールを変えて遊べない。 アナログゲームは有限。デジタル空間のように無限拡張されない。終わりがある世界は、遊ぶメンバーの変化で新たな社会を再構成する。
有限であるから生まれる互いの配慮や曖昧さによって無限を獲得するのがアナログ。
選択の自由は、
自己責任の論理とワンセットとなり、
「もう偉い人、賢い人が全部決めてくれ」「強い人の尻馬に乗って生きるのがいちばん楽。自分は無力で別にいい」が蔓延し、
下品で矮小なパターナリズムを広げる。
負けてもなんとかなると思えるとき
リセットされてまた新しい魔法円(=ボードゲーム)を始められる安心感を得られるとき。
ドイツでボードゲームが広く普及したのは、次のようなことが複合的に重なったため 1. 論理性を好む国民性や、日照時間の少なさによるインドア趣味の充実。
2. 第一次世界大戦でルドーが戦地に送られ、戦後に国民的ボードゲームとなったこと。
3. ボードゲームジャーナリストが1970年代から高品質なボードゲームの普及を目指してイベントやゲーム賞を立ち上げた。