キーワード:なんぴとも孤島ではない
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十七世紀イギリスの詩人ジョン・ダンは「なんぴとも孤島ではない」という有名な一節を含む瞑想録「死に臨んでの祈り」を書き残している。それは「いかなる人も大陸の一片であり、全体の一部である」と続き、孤立しているように見える個人が実際には他者と結びついている様を描き出しています。孤島は水面下において海底を通じて他の島に繋がっているわけだ。そのことは湖や海の水位が変わることで島が生まれたり、なくなったりするという誰でも知っている事実を想起すれば当たり前のことのように思えるが、ことさら北海道においては湖の水が凍ることで冬の島が島ではなくなるという「サイド・プロジェクト」を通して直面した現象にも通底している。逆さまに言えば、「島」とは周りを取り囲む海や湖という水面との関係においてのみ浮かび上がる、効果としての存在である。