稲盛和夫
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競争がないといけない
大義がなければ人は動かない
経営していくための哲学。フィロソフィーが重要
盛和塾の宴会はふるさとの歌でしめる
CHATGPT
稲盛和夫は、京セラ(1959年創業)、第二電電(のちのKDDI)、日本航空(JAL再建)の経営を通じて、日本の戦後経営史に大きな足跡を残した人物である。その経営方針の特徴は、単なる利益追求や規模拡大ではなく「人間として正しいことを行う」という倫理観と、徹底した数字管理・現場主義を融合させた点にある。
彼の経営思想の核にあるのは「利他の心」と「敬天愛人」という理念だ。稲盛は経営を「人間の心を磨く行」と捉え、社員が仕事を通じて人間的成長を遂げることを重視した。また「企業は社会の公器である」と繰り返し、利益は社会に貢献するための手段に過ぎないと考えた。こうした姿勢は、単なる経営哲学というより宗教的・倫理的色彩を帯びており、晩年に「盛和塾」を設立して後進経営者に広めた。
一方で、稲盛の経営は精神論にとどまらず、徹底した「アメーバ経営」という独自の管理手法によって支えられていた。これは組織を小集団に分割し、各単位が独立採算で収益を管理する方式で、現場のリーダーに経営者意識を持たせることを狙った。売上から経費を差し引いた「時間当たり採算」を算出し、全員が数字で経営を理解する仕組みを作ったことは、戦後日本企業の経営革新の一つとされる。
また稲盛は「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉を好んだ。つまり、意思決定の基準はその動機が純粋に社会や社員のためであるかどうかにかかっていると説いた。この倫理的基準が、JAL再建の際にも「社員のモチベーションを高め、心を一つにする」ことに繋がったとされる。単なるリストラや財務改善だけでなく「社員一人ひとりが誇りを取り戻す」ことを優先した点が、稲盛流経営の特徴である。
さらに「利は義の和なり」という考え方も重要だ。稲盛にとって利益は義(正義)を実行した結果として生まれるものであり、正しい経営があって初めて持続的な利益が実現するという逆転的な論理を持っていた。これは資本主義的効率性のみに偏る米国型経営への批判とも読める。
稲盛の経営方針は宗教的・倫理的側面と科学的・合理的側面の二層構造であり、経営者自身の人格を問うものでもあった。そのため、信奉者には絶大な影響を与えた一方、批判的な立場からは「精神主義的」「カリスマ依存」とも評される。しかし、破綻企業であるJALをわずか2年で再上場に導いた実績は、彼の方法論の強力さを実証している。
総じて稲盛和夫の経営方針は、①倫理観と利他主義、②現場分権と徹底した数字管理、③人間性の成長を目的とした経営、の三本柱で構成されている。彼の思想は日本型経営の典型として今なお参照され続けており、経営を「単なる利益の追求」から「人を育て、社会に貢献する行為」へと広げた点に最大の意義がある。
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利他の心
創業メンバーの血判状。