リベラリズム
個人の自由や権利を尊重し、社会的・経済的平等性も配慮した福祉政策や再配分政策を擁護するものと言えます。また平等的志向であることから、健全な市場経済を確保するため企業を規制するといった主張もある
ロールズは、17・18世紀のヨーロッパの社会契約説的な論理を採用しヨーロッパの古典的自由主義を発展させましたが、これらのうち功利主義(最大多数の最大幸福)を批判しました。ロールズは、功利主義により一部の人たちが犠牲になることがあると指摘し、より平等・公正な社会を実現するための思想が必要であると主張 ロールズの「正義論」において最も中心的な概念は「正義の二原理」です。これは、社会のメンバーの間でどのような合意をすることが必要であるか、という問いに対する答えです。正義の第一原理として、各人が「自由に対する平等な権利」を有するとし、第二原理では、社会的・経済的不平等に対して満たすべき条件を設定しています。
第二原理の内容を要約すると、すべての人々は、社会的な役割や地位に対する公正な機会が平等に与えられており、それに基づいて、人々は自分自身の社会的な地位を決め、幸福を追求するとします。しかし、幸福に到達するためのリソースは限られているため、自由な競争の結果、格差が生じます。この格差は制度によって是正されていくとします。