マルク・オジェ
フランスの人類学者
場所・非場所の都市論を転回
場所:アイデンティティを構成するもの、地方など
場所とは、アイデンティティを構築し、関係を結び、歴史をそなえるものであると定義できるならば、アイデンティティを構築するとも、関係を結ぶとも、歴史をそなえるとも定義することのできない空間が、非ー場所ということになるだろう。ここで主張する仮説は、スーパーモダニティが数々の非ー場所を有無ということだ。非ー場所は・・・古代の場を含まない。・・・人が診療所で生まれ、病院で死ぬ世界。贅沢な、あるいは非人間的な環境の中継地点や一時的な居住場所が増える世界。居住スペースでもある交通手段の密なネットワークが発達する世界。大型スーパー、自動販売機、クレジットカードの常連が、無言の身振り手振りの商行為と通じ合う世界。(104-105)