ROIC
投下資本というのは、調達サイドでいえば有利子負債(デット)と株主資本(エクイティー)で、運用サイドでいえば、運転資本と有形固定資産と無形固定資産・投資
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つまり、**有利子負債と株主資本という形でお金を調達し、それが、運転資本と有形固定資産と無形固定資産・投資に形を変え、1年間で税引き後の営業利益を生み出す**ということになるわけ
以上、税引後営業利益(=アウトプット)を投下資本(=インプット)で割ったものがROIC(投下資本利益率)
ROICを大きくするために、投下資本を減らせば良いということをいっているのではありません。営業利益をそのままに投下資本を減らすことができれば、ROICが上がるというのはお勉強としては正しいのです。しかし、これはビジネスを静態的にしかとらえていないということができます。本来必要なインプットを減らすと、短期的にはROICが増加するかもしれません。しかし、時間差でアウトプットが減っていく、つまりROICが低下するということにも注意する必要があります。例えば、戦略コストである研究開発、広告宣伝、教育、あるいは採用、こういったインプット(=未来投資)を減らしていくと、将来のアウトプット(営業利益)に影響を及ぼします。
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EVA=(ROIC-WACC)✕投下資本
こうすると、企業としてはWACCを上回る投下資本利益率(Return On Invested Capital :ROIC)をもたらす事業のみに投資をすることが重要であるとわかります。経営者としては、限られた投下資本の中で、ROICとWACCのスプレッド(差)を最大化することが大切ということです