Mark43
事業内容
公共安全機関(主に警察)向けに、現代的な記録管理システム(RMS)とコンピュータ支援派遣(CAD)システムを提供。警察や公共安全機関が日常業務をより効率的に、かつデータドリブンで遂行できるようにすることを目指している。RMSはクラウドベースであり、警察官がどこからでもアクセスできるよう設計。Mark43のCADシステムは、緊急通報の処理と警察の派遣業務を支援するためのツールです。CADシステムは、911の通報を迅速に受け取り、最適な警察部隊を現場に派遣するためのリアルタイム情報を提供。
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スコット・クラウチ(25)は、ハーバード大学在学中に同級生と共に警察向け業務管理ソフトウェアを開発する「Mark43」を設立した。ニューヨークに本拠を置くMark43は、犯罪データを効率的に管理・分析するためのツールを提供している。このシステムを使うことで、警察官は追跡中の容疑者が武器を所持している可能性が高いかどうかを簡単に調べることができると。
Mark43はこれまでにワシントンD.C.首都警察や、ニュージャージー州のカムデン郡警察とジャージーシティ警察と契約を締結することに成功した。6月には、ロサンゼルス郡警察の競争入札で大手に勝利し、5つの警察署に製品を納入することが決まった。
「最初のRFP(提案依頼書)で競合他社に打ち勝った」とクラウチは話す。彼は、2015年にフォーブスの「30 Under 30(30歳以下の重要人物)」に選出されている。Mark43は、間もなく革新的な火災通報システムもリリースする予定だ。このシステムを導入することで、救急救命士や警察がより早く火災現場に駆け付けることができるという。
クラウチと共同創業者のマッシュー・ポレガ、フロリアン・メイアーの3人は、学生時代にMark43のアイデアを考案し、実際に警察車両に同乗して警察官のニーズを把握した。「警察官の業務は驚くほどアナログで、書類の作成に何時間も費やしていた。我々のテクノロジーを導入すれば、逮捕に要する時間を50%短縮でき、その分より多くの地域をパトロールすることが可能になる。ワシントンD.C.では、警察官を110人増員したのと同じ効果が得られた」とクラウチは話す。
クラウドネイティブな公共安全ソフトウェアのリーディングプロバイダーであるMark43の資金調達の発表は、Mark43がニューヨーク・ニュージャージー港湾局が全米最大の交通関連警察の技術インフラをアップグレードするためにMark43を選定したと発表した数週間後に行われました。港湾局警察は、空港、トンネル、橋、海港、バスターミナル、世界貿易センタービルなど、重要なインフラの広大なネットワークで、何百万人もの通勤者、歩行者、乗客、観光客を守る重要な役割を担っています。ワシントンD.C.のメトロポリタン警察、アトランタ警察、シアトル警察、ボストン警察、カリフォルニア州ハイウェイパトロールなど、250以上の公共安全機関がMark43ソフトウェアを使用しています。
Mark43は、モダンで直感的、クラウドネイティブ、モバイルファーストの記録管理システム、コンピュータ支援ディスパッチ、アナリティクスプラットフォームを提供し、ファーストレスポンダーがテクノロジーを使用して対応し、コミュニティに関与し、サービスを提供する方法を変革しています。
Mark43は、日本でいえば110番(米国なら911番)の緊急通報に対応する警察側のシステムをSaaSで提供しています。緊急通報に対して、すでに各警察署が持っているデータを組み合わせて、通報者の安全確保をするために過去の通報情報や犯罪履歴をダッシュボードに表示します。また、米国で提供されるAVL(Automatic Vehicle Locator:車両位置自動特定)やスマホからの情報を使って、現場近辺のパトカーや警察官の位置をGoogleマップ上に表示することもできます。どの通報に優先して対応するか決めて、実際に現場へ誰が出動するかを決定する、その業務を支援するシステムとして機能します。蓄積した情報からダッシュボードで犯罪データを分析するアナリティクス機能も提供しています。
Mark43はPCのブラウザ上で使えるほか、犯罪者や過去の事件データベースは、パトカーの中からモバイル端末でアクセスできるようになっているそうです。今どきのスマホアプリに期待することと同じで、端末の種類は問わず、また単一アプリで全てのデータにアクセスできるというのを売りにしています。今どきのSaaSらしく導入した警察署はAPIを公開することもでき、市民や民間企業が地域の課題解決に使う、いわゆるシビックテックへの道を開くこともできるようです。
共同設立者のスコット・クラウチは、ハーバード大学4年生のとき、法執行機関向けの情報管理システムを構築する新興企業チームの一員だった。このプロジェクトは、警察の対応と事件報告の標準化と洗練を目指すクラウドベースのソフトウェア会社、Mark43の基礎となった。ソフトウェアの機能には、コンピュータ支援ディスパッチ・プログラム、報告書の正確性とコンプライアンスを高めるための記録管理システム、データ分析ツールなどがある。 Mark43は、警察や公共安全機関向けに、現代的な記録管理システム(RMS)とコンピュータ支援派遣(CAD)システムを提供するスタートアップです。Mark43のプラットフォームは、警察が犯罪レポートの作成や証拠の管理、事件の追跡を効率的に行うことができるように設計されています。データ分析機能も備えており、犯罪傾向の予測やパトロールの最適化にも役立っています。例えば、ニューヨーク市警察やロサンゼルス市警察など、いくつかの大規模な警察機関で採用されています。