自由主義は「国家および政治を、一方では個人主義的な、したがって私法的な道徳に、他方では経済的な諸範疇に従属させ、その独自の意味を奪い去る」のだと記している[_★_28]。自由主義は国家の必要性を経済や道徳に還元する。しかし、友敵の区別は、それが個人の利益になるから(経済的に得だから)_行うものでもなければ、心の支えになるから(倫理的に正しいから)_行うものでもない。それは、人間が人間であろうとするかぎり、精神の構造から必然的に要請される。自由主義者はその根本を理解していない。