家族から市民へ、国民へ、そして世界市民へといった単線的な物語から外れるもの、それは近代思想の枠組みでは原理的に政治の外部とされているけれども、ぼくはむしろそこにこそ新たな政治の回路があると考えたい。その可能性を記述する言葉こそ、観光客の哲学であり、本書が手に入れたいもの