ドキュメントスケーラビリティ
どういったドキュメントがスケールするのか?
大まかにいってドキュメントは以下の定性的な性質が問題になる
永続性 (Persistency)
ユニークな参照ポイントが存在し任意の時点まで遡れること
全ての変更履歴を見ようと思えば遡れること
また戻そうと思えば任意の時点に戻せること
可用性 (Availability)
欲しい時に欲しいドキュメントが手に入ること
検索性にも関わる
反応性 (Reactivity)
時間の変化に伴う外部環境の変化に伴い内部環境が変化すること
NotionやGitHub、Confluence, Scrapboxなどあるがそれぞれ一長一短で、全てをカバーするドキュメンティングシステムというものもやはりない
結局のところこれは「情報の分類」に関わる問題であり、全てを網羅する書物というものがないように完全なドキュメントというのは原理的に不可能ではある
なのである程度の時点でここに書くには余りにも余白が小さいと妥協する点は出てくる
ただ不完全にしろ一冊の書物が歴史を変えることがあるように注意深く書かれたドキュメントは何年にも渡って読み継がれたり何百人から何万人に影響を与えることもある
ただそういったドキュメントは作るのにコストがかかり注意深く書かれた組織目標などのドキュメントなどに留めた方が通常はよい
中央集権的なドキュメンティングと分散型のドキュメンティング
トップダウン的な中央集権的なドキュメンティングは強力な一貫性がある
ただ足りない項目はどうしても出てくるのでフィードバックが重要になる
心理的な安全性を確保した状態でフィードバック出来る仕組みが重要
自分の指摘は既にされているのではないかとか、間違ってたらどうしようかという懸念をなしにフィードバックを行える状態
匿名で記述についての間違いやミスに貢献出来る
分散型は補完をしあうドキュメントが生まれる可能性はあるが、検索がメインの探索方法になるため目的のドキュメントにたどりつく可能性は減り可用性は低くなる
あなたが探しているドキュメントはこれではないですかというような提案や見つからなかった場合にフィードバックで貢献出来る仕組みが重要になる
Googleの社内短縮リンクサービスはドキュメントへのカノニカルなURLで示せるので様々なドキュメントサービスのメタ的な役割を担っている
go.li/company というような短縮URLで示せるのでURLを思い出す必要がない
結局やはりドキュメンティングシステムは自分たちで簡単にでも作ってドッグフーディングするのがいいのではないかというのはある
というのもドキュメントを作成する過程こそまさにその組織の特徴と問題が表れるので、ドキュメントシステム自体の作成という一種のドキュメンティング作業が自分たちが結局どういったドキュメントシステムが欲しいのかというのを明確に出来、何が課題なのかを炙り出せるから
有り寄せのシステムで情報を分類「させられる」のではなく、自分たちで情報を分類するシステムを作り情報を分類する作業を行うということは情報システムにおいて本質的なことだと思う
Googleの究極の目標が「世界中の情報を分類する」ということのように情報システムの根本問題の一つ