論文紹介のお作法
論文紹介のお作法とは?
論文紹介の際のスライド作成時の注意事項
守らないといけないルールがいくつかある
いちばん大事なこと
論文紹介は、論文をそのまま発表するわけではない!
論文に書いてあることをそのままの順でしゃべってはだめ!
「論文に書いてあること」ではなく「論文から分かること」を伝える
論文の章立ては無視していいし、省略したり、飛ばしてもよい
正確な書誌情報が大事!
かならず2ページ目に入れましょう
「紹介しっぱなし」では駄目!
紹介した論文の総括を最後に入れましょう
「この論文は要するに何だったのか」「よかったのか悪かったのか」「なぜ重要なのか」
紹介した論文が自分にどう関係し、役に立つのかを述べましょう
「ここが参考になったから、こう活かす」「この論文はこういう理由で駄目なので、読んで損した」
https://gyazo.com/7a35b56b693afaf4c23eda8dc5a03e5a
実際の各スライドの作り方
0枚目:発表タイトル
論文紹介だとわかるようにする
もとの英文タイトルを書く
長い場合は、サブタイトルを取り除いたりしてよい
タイトルの和訳か、内容のざっくりした要約を付記する
https://gyazo.com/d8d9ae0835812330136cae9e6410ca79
例:「Museum Experience into a Souvenir: Generating Memorable Postcards from Guide Device Behavior Log」という論文を紹介する場合・・・
タイトルに、タイトル本文と区別がつくように「論文紹介」と明記
タイトルのコロン以下のサブタイトル部分は切ってOK
英語タイトルだけだと内容が分からないので、日本語で内容を書き添える
氏名欄は論文の著者ではなく、自分の名前を書く
1枚目:概要
この論文が何をしている論文であるかを、最初にかいつまんで説明してしまう
https://gyazo.com/3bbd5d20ce985ae03fd28ec44a2b8eb9
書くとよいこと
この論文はざっくりいうと、何をやっている論文なのか
提案系?分析系?サーベイ論文?
この論文の貢献 / 明らかにしたことは?
○○をすると、××に有効なことが分かった
○○をすることで、××が実現可能なことが分かった
注意事項:「○○を実装した / ○○を作った」は、論文で明らかになったことではありません
書かないほうがよいこと
研究背景
アルゴリズムそのものの内容
とにかく手短に書くべし
このスライド自体は、20秒とかで飛ばしてよい
2枚目:書誌情報
ある意味、いちばん大事なスライドです!
書かないといけない情報
タイトル
掲載雑誌名 OR 発表会議名
書かれた年
著者
著者の主な所属
雑誌名 / 会議名の書き方
出版社名や運営学会名は雑誌名ではありません!
「ACM」や「Springer」や「IEEE」や「情報処理学会」とだけ名前のついた雑誌や会議は存在しません!
これらは「出版社」に該当するもので、雑誌名や会議名ではありません!
「週刊少年ジャンプ」と書くべきところを「集英社」と書いたら、分かりません
有名な会議については、省略してもかまいません
例:「ACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries 2021」 → 「JCDL 2021」
各学会 / 雑誌には、公式の略し方があるので、それに倣って略してください
マイナーな会議や、特筆すべき会議は、注釈をつけると親切です
https://gyazo.com/62ff5f090f74835ce5bd72cf182eb3af
3ページ目から、終わりまで
ふだん、自分で自分の研究を紹介する時のようにスライドを作りましょう
つかみ → 問題と提案 → 実際の手法 → 結論 → まとめ
もとの論文の順番は、無視しましょう
「関連研究」や「実装」などの、本質的でない部分は、飛ばしましょう
「著者らが何をやったか」ではなく「この論文から何が分かるか」に注意して紹介しましょう
最終ページ:総括
論文の内容を第3者目線で評価し、自分や聴衆にとってどう役に立つかを述べましょう
https://gyazo.com/783aab9c8f76059894713f5b61b500b2
書いたほうがいいこと
この論文を読むことで、得られる知見
この論文の貢献
この論文は、読むべきだったのか、読まないでよかったのか
自分の研究で参考にできる部分
もっとも面白いと思ったポイント
論文のいいところ、悪いところ
「こうしたらいいのに・・・」みたいな意見
論文の内容に対する感想(自分の作業への感想ではない)