そして明日の世界より――
table:登場人物
葦野(あしや) 昴(主人公/がんちゃん)、竜(父)、海(母) 竜 CV松涛エルザ, 海 CVかわしまりの
日向(ひなた) 夕陽(幼馴染)、朝陽(夕陽の4つ上の姉)、陽(父)、ひかり(母。故人) 夕陽 CV安玖深音, 朝陽 CV岡本あさひ 陽 CV一条和矢
樹(いつき) 青葉(親友/タナトスさん) 青葉 CV青山ゆかり
水守(みずもり) 御波(病弱な友達) 御波 CV夢篠さなぎ
八島(やしま) 宗一郎(温泉掘りじいちゃん) 宗一郎 CV柴田秀勝
総評
全編通して個人的には好きなシナリオだった(読み手を選ぶだろうなとは思う)
「彼女の気持ちに気づけよこの鈍感男」みたいな圧で雑にくっつく話じゃない所とかかなり好感
各ヒロインと主人公の心理描写がしっかりしていて、14日間の外の事(行く行かないとか、あと決定的な瞬間とか)が描かれていないとかは些細な問題(と思うことにしよう)
恐怖や不安を全てまな板に載せながら「思い残すことがない」ところまで二人を(プレイヤーを)連れて行こうとするシナリオは萌えというより癒やしの域。/ 全ヒロインについて言える事だけれど、EDまでに1人1人の過去のトラウマだとか心のしこりが綺麗に解きほぐされていくので、これは**ゲというよりはセラピーなのではないかと思う
共通√
・「がんちゃん」=芦屋(あしや)雁之助由来らしい
・海(主人公の母)みたいな人あまり好きじゃないな(とはいえ音声消すほど嫌いではない。キャラクターの描き方としては絶妙)
推奨攻略順ぐぐってみたけど結構バラバラで
とりあえず最重要人物っぽい夕陽から回ってみる
1. 夕陽√ (Amazing Grace)
いろいろぶっ刺さるシナリオだった
・くっついてくる夕陽ちょっと苦手(だったけどストーリーが進むにつれて夕陽のイイ女度、というかイイ人間度が爆上がっていったりいかなかったり)
・(寝ぼけてる時とかに)夕陽の口が顎の辺りまで下がってpino(アイス)みたいな形で描かれるやつ(グリザイアの蒔菜もよくそんな顔をしてた)ってよくある表現なのかな
https://scrapbox.io/files/632d09061bd6b6001d3194aa.png
こういう顔なのよさ
がんちゃんがシェルターに入る1人に選ばれてからの夕陽の心
置いていかれる夕陽 / 島でもっている全てを失うことになるがんちゃん
距離をおこうとするがんちゃん、最後にと関係をもとうとする夕陽
がんちゃんが夕陽の大切さに目覚め、シェルター行かないと決めてからの夕陽の心
シェルターに入れば助かった命を(わたしのせいで)落とすことになる
それは私ががんちゃんを殺すのと同じ、そんなのに耐えられない
シェルターに入るようにすすめ、1人でなんでもできるよう頑張り(アピールし)、がんちゃんと距離をとる
レジの780円のシーン切なすぎる
じいちゃんと話して大切なことに気づくがんちゃん
がんちゃんがいなければ1人ではなにもできない夕陽をがんちゃんが守る、とかじゃない
夕陽は一番しっかりしてるし、がんちゃんも夕陽がいなければ何もできない
お互いのかけがえのなさに気づき、距離を取り戻すふたり
アメイジング・グレイス(7番まで;歌詞表示あり)
その後地球がどうなったかなんて本当どうでもいい
2. 御波√ (星に祈りを)
攻略順に迷ったけれどキャラ可愛いからというだけで2番目に
軽妙なのに詩的な会話のやりとりが好きなシナリオ。
可愛すぎる御波ちゃんも堪能できた。最高。
まさか御波が小惑星の第一発見者だったとは
https://scrapbox.io/files/6336d05351a939001e18e44a.png
会話の中で出てくるキーフレーズみたいなものをお互いに拾いあって進んでいく、二人の掛け合いが楽しい。
Hシーンを飛ばさずに追った数少ないヒロイン(そういうページを作ってもよいくらい珍しい)の1人に加わった。
https://scrapbox.io/files/633a26d8b7cd56001d5fe361.png
体操着の御波いい
https://scrapbox.io/files/633a271ef8cc02001f7f1d82.png
驚いた時のちょっと変顔な御波もいい
御波(のCVの人)、ときどきイントネーションが(自分の知ってる日本語と)違うんだけどどこかの方言なのかな?(わざと入れてる?)
他の作品(アニメ版月姫とか)でどうだったかあとで見返してみる 3. 青葉√ (My Fair Lady)
CV:タナトスさん
2人で遠回りしながら、掛け違えた最初の(本当の)ボタンに辿り着く物語。色々思い出したり考えさせられたり。
このシナリオも結構好きかも
ひかりおばさんの死の後、昴が夕陽の保護者のようになってしまった中で、昴の一番でいるためなら男の子にだってなろうとする青葉
友達としてあまりにも大きな、唯一無二の存在になってしまった故に、友達としての関係をどうしても失いたくない昴
異性であることをひたすら隠し続けてきた青葉
異性であることを意識から排除し、青葉が女の部分を見せてきても「冗談」と受け取ってきた昴
そして二人がそういう振舞いをするに至る経緯
青葉の視点は秘密基地で読み聞かせたシンデレラ風物語に語り尽くされているけれど、
昴が青葉の物語に寄り添えば解決するという話なのかといえばおそらく違う。
掛け違えたボタンと、いつまでたってもボタンの掛け違いが直せない二人
「俺達がマラソンだと思っていた競技は実は百メートル走じゃあない!!」
「じゃあ何??」
「借り物大障害だ!!」
「意味が解んないぞ!!」
青葉√では御波が昴を青葉に譲ってる描写があって
ライバルだからこそ分かる気持ち、みたいな振舞いの描写(ちょい切ないけど)嫌いじゃない
4. 朝陽√ (家族の肖像)
この2人(3人)どこに着地するんだろうと思ってたらそう来るとは思わなかったやつだった。
嫌いじゃないですよこういうの
「なお、手を出したのは私の方からなので、文句があったらかかって来い!」
これ好き
「けれど今日は卒業式です。そういったろくでもない事からも、ついでに卒業してしまうといいと思います。」「そして明日から心機一転、新しい生活を自分のペースで大切な誰かと始めてみてください」
「……あら、私達を愛していないような言い方ね?」「ひどいよがんちゃん、遊びだったの?」
https://scrapbox.io/files/633c4951bf28c200206ce8c3.png
こういう幸せのカタチもあるのねと
5. ノーマル√(TRUE√)(どこまでも、いつまでも)
誰も選ばないけれどみんなに愛されてるがんちゃんのルート
(選択科目がんちゃんA, B)
https://scrapbox.io/files/633d653af629350023d4cbc7.png
八島のじいちゃん登場シーンしびれた
「取り戻せないという思い込みが最初で最後の敵になる。じゃが、きっと大丈夫じゃろう。がんちゃんもワシと同じで三度目じゃからの?」
「星は降ってくる。けれどそれで世界が滅びる訳じゃない。」「世界が滅ぶのは俺達が俺達を辞める時だ。」
AFTER (アンコール... どこまでも、いつまでも 合唱)
we've been there
俺達はここにいる
現在完了が切ない
けれどがんちゃんとその仲間たちは尊いものを後の世界に遺せたんだな