ITの温故知新
本日のタイトルとして「新しい教え方、新しい学び方」と書きましたけれども、今日ここで私がお話しする授業の方法は、確かに新しいデバイス、新しいツールを使います。でも中身は違う。古くから行われいてる面白くてよりワクワク感のあるエキサイティングな授業を、現代の技術で実現するにはどうしたらいいのか。それを考え続けて、20年近くにわたって色々試してきた結果、今私が使っているデジタル黒板に至っています。ようやく、デジタルというものを使って、一般的なスライド、PowerPointやKeynoteを使うようになる前の授業と同じことができるようになった。それも、以前より進化した形で実現できている。「新しい教え方、新しい学び方」とはそういう趣旨なのです。
私はデジタルな道具が大好きなんですけども、常々思いますに、デジタルなツールを使うことによって、今までできていたことよりもできることが減ったり、今まで面白かったものが面白くなくなったりしたら、意味ないです。それだと、デジタルツールを使うこと自体が自己目的化してしまっている。デジタルを使うがためにデジタルを使っている、という状態です。本末転倒です。
我々は教員として教育の場で行うべきは、学生達の興味を喚起して、「あ、その学問面白い」と感じさせること。私の分野で言えば、「民法や著作権法って面白い」、「もっと研究したい」、「自分でもそれを使えるようになりたい」という気持ちを抱かせて、その学問の世界に誘うことですよね。
なのに、デジタルを使って紙芝居をしているだけでなく、あらかじめ全部ネタも明かしている。紙芝居以下です。紙芝居はあらかじめ全部の絵を配布したりしませんからね。これでは何の面白みもないし、もったいないことだと思います。
私はITツールが大好きです。Macを198年から使っていて、Macのことを扱う「月刊MacPeople」という雑誌とかその前は「月刊アスキー」といったIT系の雑誌に2002年から、13年くらいですか、連載をずっと書いています。それくらいITの分野が大好きで、自分でどんどん使って、その多くのベネフィット、便利さを享受してきています。