スライドは紙芝居
大体こういう画面を映すとき、今はパワーポイントを使いますね。Microsoft製の「PowerPoint」〈注2〉というのは、もともとはこのMac用のソフトウェア〈注3〉なんですけれども、今ではWindowsでももちろん使えて、Windowsでプレゼンテイションをする、というときは、十中八九PowerPointを使います。「スライド」のことを「パワーポイント」あるいは「パワポ」と呼ぶくらい普及しています。PowerPointというのはこのアプリ、ソフトウェアの名称です。決してすべての「スライド」が「パワポ」なのではない。そしてこれはPowerPointというアプリのアイコンです。
プレゼンテイションするとき、まずあらかじめPowerPointなどのプレゼンテイション用アプリを使ってスライド画面を作成しておいて、それを投影します。もともと、医学系とか理工系の研究発表で写真のスライドフィルムを使っていました。つまり、病変の写真とか図表とかグラフとかですね、そういったものをスライドフィルムにして、そのスライドを投影することによって学会発表をしていた。ですから本来「スライド」と呼ぶべきなのですが、今はもうPowerPointに代表されるプレゼンテイション用ソフトでデジタルに投影する方法が普通です。
同じく、そういったスライドを投影する仕組みとして、AppleのMac/iPhone/iPadでは「Keynote」〈注4〉というソフトを使うことができます。先ほど申しましたようにMacにはPowerPointもありますけれども、Key-noteの方がカッコ良く作れるし、かつ、作り方もずっと楽です。簡単にかっこいいものを作れてしまうので、プレゼンテイションで一般的、伝統的なスライドを使う必要があるときは、私はこのKeynoteの方を使います。PowerPointは使いません。
けれども、PowerPointやKeynoteでスライドを作って投影しますと、投影した内容を動かせないのです。画面をご覧ください。動いていますよね。私が今こうやって手元のiPadで動かしているのです。その動きがそっくりそのまま画面に投影されます。これ、PowerPointではできません。Keynoteでもできません。
スライドというのは、あらかじめ内容をスライド状に作っておいて、それを順に見せていく。そして見せながら話を進めていく。これ、幼稚園でやっていませんか?はい、紙芝居です。つまり、いい大人が紙芝居をやっているのですよね、世界中で。あらかじめストーリーを用意しておいて、絵を用意しておいて、その絵を順繰りに見せていくことでプレゼンをする。プレゼンっていうとカッコいいけれど、要するに紙芝居なんです。今世の中で行っているプレゼンのスライドは紙芝居です。
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