新しいMacで起案するための4つの設定と1つの訓練
司法試験などの法律系論述試験の準備、訓練のために新しいMacを購入した学生たちが共通に行う基本設定をまとめました。
Contents
1. Apple IDを作成・設定
2. Scrapboxを快適に使うための設定
3. 日本語入力環境を快適にするための設定
4. Scrapboxを設定する
6. 親指シフト(shioシフト)の訓練
7. controlキーを使ったカーソル操作・変換操作等
1. Apple IDを作成・設定
(すでにiPhoneなどを使っていてApple IDを持っている人はこのプロセスをスキップしてOK)
無料で取得できる「@icloud.com」のアドレスを取得する。これが自分のApple IDになります。
「@icloud.com」を取得せずに、gmailのアカウントをApple IDとして使ってもOK。ただし携帯会社のアドレスを使うことは避ける。将来、携帯のアドレスが変わった時に変更が大変だから。
このApple IDで、「iCloud」、「メッセージ」、「FaceTime」、「iTunes Store」、「App Store」、そして「メール」といったサービスを利用開始。
2. 起案に必須のScrapboxを快適に使うための設定
3. あとでScrapboxのcontrol操作を有効化するために、macOSレベルのcontrolキー操作の設定を4か所変更する。
control + ↑ を control + shift + ↑ に。
control + ↓ を control + shift + ↓ に。
control + ← を control + shift + ← に。
control + → を control + shift + → に。
Macの画面左上にある「」メニュから、システム設定…→キーボード→キーボードショートカット→Mission Controlを開く。
^↑ をダブルクリックし、キーボードで^+shift+↑キーを押して確定します(^はcontrolキーの意味です)。
他の3つ ^↓、^←、^→もそれぞれ ^shift↓、^shift←、^shift→ に変更する。
https://gyazo.com/a9840a3dca47ea026ab02d5fc446d440
Scrapbox以外のアプリ等で日付や時刻をワンタッチで入力したい場合は、設定すると便利なのでshio.iconは設定しています。
2. システム設定→キーボード→キーボードショートカット→サービス→テキスト→WordService: Insert Short Date & Timeにチェックを入れる。
https://gyazo.com/209c6418a11bc4d0c3bcd063aaa593c2
shio.iconは下記の二つを設定しています。
WordService: Insert Short Date:⌘+_
WordService: Insert Short Date & Time:shift+⌘+_
システム設定→一般→言語と地域→暦法を「ISO8600」に
システム設定→一般→言語と地域→日付の書式を「2023-08-29」に
https://gyazo.com/8cb80cfc1e5d815480929de007fabf21
「2023/08/29」ではなく「2023-08-29」に設定しているのは、Scrapboxのページタイトルに日付を記載した際にURLがエンコードされて見苦しくなるのを防ぎたいからです。
4. これで日時をワンタッチで入力できます。
shift+⌘+_ →2022-03-01 07:32:13
3. 日本語入力環境を快適にするための設定
システム設定→キーボードで、
キーのリピート速度を速い
リピート入力認識までの時間を短い
https://gyazo.com/09ead54e76c80832e02d8c5c0994e939
システム設定→キーボード→テキスト入力→入力ソースで編集を押し、日本語-ローマ字入力で下記のように設定します。
https://gyazo.com/a2b8e4dac7d02fb16d5c4de90b4b3257
カタカナ変換をoffに(チェックを外す)(文字入力中のカタカナ変換はcontrol+kで行います)
全角英字、半角カタカナ」は最初からoff(英数字は半角、カタカナは全角で必ず表記します)
ライブ変換はon(チェックが入った状態)のまま。これがMacを使う真骨頂。変換操作不要な全自動かな漢字変換です。ほぼ変換キーを押す必要なく日本語をタイピングし続けられる最高に効率的な日本語入力環境です。
推測候補表示をoffに(「ライブ変換」だけでほぼ完璧なので推測候補は必要なし)
数字を全角入力はoff(前述のとおり英数字は半角と決まっております)
4. Scrapboxを設定する
0. Googleアカウントを持っていない場合はGoogleアカウントを作成する。
2. 画面右上のユーザメニュからUser settingsを選択してProfileを開き、NameとUsernameに自分の氏名を入れ、Save changesを押す。
3. Scrapboxのcontrol操作、アウトライン操作、ユーザスクリプトを有効化するため、画面右上のユーザメニュからUser settingsを選択してExtentionsを開き
Emacs key binding
Prioritize Outline-edit key bindings
User Script
https://gyazo.com/eaf52d1d2907e9fc2f62fb0a9dae9246
これで、Scrapbox上で、control+↑・↓・←・→キーによって段落ごと、上下左右に移動できるようになります。超便利です。
さらに、option+↑・↓・←・→で、下位の段落までまとめて上下左右に移動できます。
5. 親指シフト(shioシフト)で入力するための設定
4. 「Karabiner-Elements」のメニュ(Macの画面右上の四角形)からPreferencesを開き、Miscを開き、右下のOpen config folderボタンを押して開く。 5. 開かれたフォルダ内にもしkarabiner.jsonがあればそれを一旦デスクトップなどに移動する。
7. 5.のフォルダを閉じる。
以上です。もし問題なく稼働したらデスクトップに移動した古いほうのkarabiner.jsonは捨ててしまって大丈夫です。
https://gyazo.com/c9bc3a2aa047718c7bb474f38a44267e
6. 親指シフト(shioシフト)の訓練
同じページに上記の親指シフト.iconを表示し、スクロールするにつれて親指シフト.iconの位置もcontrol+↓で下にずらしていけば、常に配列表を近くに表示しながら練習できます。Scrapboxって便利!! 掟その1 ──画面と配列表のみを見る
絶対に絶対に絶対にキーボードを見ない。一切見ない。チラ見もしない。
配列表はプリントしてモニターのフチに貼っておく。見ていいのはその配列表と画面のみ。
キーボード上にタオルをかけてすべてのキーを隠し、キーボードとタオルとの間に手を滑り込ませて、FとJにある突起を人差し指で感じ取り、左手は小指、薬指、中指、人差し指をA、S、D、Fに置き、右手は人差し指を右に1個ずらして(キーの刻印では)K、中指をL、薬指を;、小指を:に置く。これがホームポジションです。
キーボードのキートップにかなが書かれたシールを貼るなど論外。練習の最初から完全にタッチタイピング(ブラインドタッチ)です。
繰り返します。絶対にキーボードを見ない。
その理由は、明るい(発光している)画面と暗い(発行しない)キーボードを交互に見続けると、瞳孔が開閉を繰り返し、水晶体が伸縮を繰り返し、目に負担をかけるからです。
掟その2 ──親指シフト始めたら親指シフトのみ
親指シフトの練習を始めたら、決してローマ字入力しない。 人間が何かのスキルを身に付けるには、蓄積が必要です。繰り返し、繰り返し継続的に練習を続けるのです。会得に必要な量がたまったら飛躍的に進歩します。飛躍に必要な蓄積量のことを閾値(いきち)といいます。閾値を超えるまでひたすら一意専心。練習あるのみです。
shio.iconの場合、一日数時間練習したら3日で実用的な速度でタイピングできるようになりました。ほかにも3日でだいたい習得した人もいますし、14日かかった人もいます。一方練習を始めた翌日には配列表をほとんど見なくなった人もいます。進捗は人それぞれですが、続ければ身に付きます。
閾値を超えたら「身についた」状態になるので、その後ならローマ字入力しても親指シフトを忘れません。閾値に達する前にローマ字入力すると、せっかく少し慣れて来た親指シフトを身体が忘れます。振り出しに戻ります。
なので、親指シフトの練習を始めたらローマ字入力をしない。もし日本語を書く必要がある場合は、iPhone/iPadでフリック入力すればOKです。
掟その3 ──正確かつ確実にゆっくり押鍵する
速くタイピングしようとして間違えると間違え癖がついてしまいます。
1押鍵1押鍵、どんなに時間をかけて考えてもいい。どんなに配列表を見てもいい。ともかく確実に、正確に、間違えないように押下する。急いてはことをしそんじる。
喫茶店などでタイピングしている方々の様子を見ていると、ダダダダダ〜と入力してたあと、タタタタタと消している。そんな無駄な間違え癖タイピングにならないよう、ゆっくりゆっくり、正確に、確実に一つ一つ丁寧に押鍵していきましょう。
掟その4 ──お化けの手、猫の手、ピアノの手
「お化けだぞ〜〜」ってやるときの、タランとした手のまま、キーボード上に両手を降ろしていって、ホームポジション(掟その1、その6参照)に10本の指が接触したところでストップ。それが基本姿勢です。肘から指先までのうちで、最も高い位置にあるのは手首。あるいは手首がストレートになるようにします。
パームレストは「レスト(休憩)」するときのみ手首を置く。
親指シフトは特にこの手の形、姿勢が大切。シフトキーを「押しながら」ではなく、文字キーとシフトキーを「同時押鍵」しやすいのがこの形。本来のタイピング姿勢。ちゃんとお化けの手の形でタイピングできるようになったら、手をパームレストにべたっと付けたままでもタイピングできるようになります。最初は基本に忠実に。猫の手はタイピングの基本姿勢です。
掟その5 ──必ずできると信じてゆっくり進む
ゆっくりゆっくり進んでいくと、意外と早く身に付きます。なぜなら親指シフトはキー配列自体が効率的にできているから。真ん中の段だけで約5割、真ん中と上の段合わせて約9割の日本語文を入力できます。
掟その6 ──10本の指を常時ホームポジションに保つ
左手は小指から親指まで順にA、S、D、F、左親指シフトとして使うスペースに、右手は小指から順に;、L、K、J、右親指シフトとして使うかな(orzレイアウトの場合は:、;、L、K、かなキー)に、各指の先端(爪に近い部分)を常時接しておきます。
掟その7 ──タイプするときは、押鍵に必要な指1本だけを水平移動し、垂直に押下し、垂直に戻し、またホームポジションに戻す。
「ホーム」ポジションだから、毎回戻すのです。そして押鍵する指以外は、ホームポジションを維持します(動かしません)。チカラも抜いたまま。
キーを押下するとき、押鍵する1本の指だけを「水平移動、垂直押下、垂直に戻す、ホームポジションまで水平に戻す」という4ステップでデジタルに動かす。だから、ゆっくりゆっくり。デジタルな動きをゆっくりやっていれば、徐々に速くなります。決して自分から速度を求めないこと。正確性だけを追求していると、時が来たら自然と速くなります。押鍵するときに、腕ごと、手ごと移動している人がいますが、それは誤押鍵の原因です。速度も上がりません。常時ホームポジションに置く。押下する指の身を動かす。鉄則です。
7. controlキーを使ったカーソル操作・変換操作等
これによって常時ホームポジションに手を置いたまま、カーソル操作が可能になります。すべてMac標準の操作方法ですので、何も設定することなく、Macのほぼすべてのアプリで共通に下記の操作ができます。
【カーソル移動操作】
control+f ── カーソルを次に(右に)移動(ForwardのF)
control+b ── カーソルをうしろに(左に)移動(BackwardのB)
control+n ── カーソルを次の行に移動(Next lineのN)
control+p ── カーソルを前の(上の)行に移動(Previous lineのP)
control+d ── カーソルの次の(右の)文字を削除(DeleteのD)
control+h ── カーソルのひとつ前の(左の)文字を削除(つまりdeleteキーと同じ。HideのH)
control+a ── カーソルを行頭に移動(abcのA)
control+e ── カーソルを行末に移動(endのE)
control+t ── カーソルの前後の文字を入れ替え(transform、transliterateのT?)
control+k ── カーソルの次から段落末までの文字列をすべて削除(killのK)
control+y ── control+k で削除した文字列をペイスト(yankのY)
【かな漢字変換操作】
control+n ── 変換=次の候補を出す(NextのN)
control+p ── 変換=ひとつ前の候補を出す(PreviousのP)
control+f ── 注目文節を右に移動(ForwardのF)
control+sまたはb ── 注目文節を左に移動(BackwardのB)
control+o ── 注目文節を伸ばす(たぶんOutのO)
control+i ── 注目文節を縮める(たぶんInのI)
control+j ── ひらがなに変換(JapaneseのJ)
control+k ── カタカナに変換(KatakanaのK)
control+l ── 全角英数に変換
control+; ── 半角英数に変換(半角カタカナをonにしている場合は半角カタカナになってしまうので必ず半角カタカナをoffにすること。上記3参照)
control+m ── 変換の確定(returnキーと同じ)
【controlとshiftを同時に押す操作】(左手小指をちょっと寝かせるようにして、controlとshiftをいっぺんに押します)
control+shift+j ── かな入力モードに変更
入力済みの文字列を選択した状態でcontrol+shift+jを2度押し ── その文字列の再変換
control+shift+;── 英数入力モードに変更