2018シラバス多摩美術大学「情報と社会」
科目名 情報と社会
担当教員 塩澤 一洋
対象学年 2年・3年 開講学期 後期
単位区分 選択必修 単位数 2.0
授業形態 講義
備考 他学科へのオープン科目
授業のねらい
著作権。気になる人も気にしない人も、みんなかかわる著作権。
デザインのプロとして、情報の発信と受信の両面に主体的に関わっていくための基礎となるルールの素養を身につけることがこの授業のねらいです。著作物を中心とした知的財産のルール、それを扱うときに必要な契約のルールについて、みなさんで理解を深めてまいります。
作品を製作するにあたって、他人の作品はどのくらい使っていいの? 使いたいときどんな手続きが必要なの? 手続きしないで使えるのはどんなとき? 自分が創作した作品を勝手に使われたら何ができる? etc. いろいろな疑問があるのではないでしょうか。
Twitter、Instagram、YouTube、ブログ、その他のインターネットを流れるさまざまな情報をはじめとして、テレビ、新聞、雑誌、音楽、映画、小説、写真、氏名、住所、年齢、現在位置、天気、遺伝子……。科学技術の発達によって、より多くの情報が生み出され、それがより多くの人々の間で流通するようになった今日、私たちの社会は、その情報にどのような価値を見いだし、どのような権利を認めるのか、それをどのように扱うのか。
そのルール(法)の体系を具体的に理解していきましょう。
到達目標
知的財産と契約の基礎的ルールを、小学生に対してやさしく説明できるようになる。
授業の展開計画
1. ガイダンス:この講義のグランドデザインを描きます。
2. クリエイタとルール :プロのデザイナ、クリエイタとして創作活動を進めていくために必要なルールがみなさんにとってどのような意味を持っているのか
3. ルールとは何か、法律とは何か:デザイナに必要な法的考え方の基礎
4. ルールと意味と法律の体系:日本の法律はどのような体系と仕組みになっているのか
5. 契約とは何か:他人の作品を使う、他人に自分の作品を使ってもらうといった際に必要となる契約の基礎
6. 財産とは何か:「情報」と「財産」という基礎概念
7. 知的財産とは何か:知的財産とは何か
8. 著作権法1:著作権法の目的と基本的な体系
9. 著作権法2:著作物とは何か
10. 著作権法3:著作権法の目的
11. 著作権法4:誰が著作者で、誰が著作権者か
12. 著作権法5:著作権の効力
13. 著作権法6:他人の著作物を無許諾で利用できる場合
14. その他の知的財産法とデザイン:特許法、意匠法、商標法、不正競争防止法、個人情報保護法など
15. 情報と社会の未来:情報に関するルールは今後どのように変化していくのか
このように計画していますが、履修者の予備知識や思考力に合わせて柔軟に対応します。難しくてわからない、ということのないように、初学者を対象として、基礎、基本から理解できるように進めます。
履修上の注意事項
この授業は対話形式です。学生のみなさんと担当者(塩澤)との対話で展開します。私はみなさんに色々な問いかけをしますので、思ったこと、考えたことを率直に挙手して発言してください(挙手していない学生に発言を求めることはありません)。挙手により発言したとき、「発言点」を1点、得られます。その合計点が評価となります。したがって、積極的に発言する気持ちのある学生のみ、履修してください。なお、授業中、適宜、Webにアクセスしていただきますので、Webにアクセス可能な何らかのデバイス(Mac/iPhone/iPadなど)を必ずご持参ください。
評価方法
発言回数によって評価します。授業中、挙手による発言1回につき1点ずつ加算し、その合計点数が評価の対象です。
テキスト
法令集を必要としますが、Webやアプリで十分です。第1回の授業で紹介しますので、webを閲覧可能なITデバイス(Mac/iPhone/iPadなど)を持参してください。
参考文献
授業中に適宜紹介します。