責任感の不足
チームにおいては、責任感には「明確さ」と「支持」という二つの側面がある。
優れたチームは、迅速に明確な決定をくだし、その決定に反対した人も含めて、メンバー全員の全面的な支持を得て前進する。会議が終わるときには、今決定したことを支持するかどうかひそかに迷っている人は誰もいない。
責任感の不足の大きな原因となるのは、全員一致を求めること、そして確実性を求めることである。
全員一致
優れたチームは、全員一致を求めることがいかに危険かを理解し、完全な合意に達しなくても支持が得られる方法をさぐる。理性的な人間が決定を支持するためには、我を押し通す必要はなく、自分の意見が聞かれ、考慮されたことがわかれば十分であると理解しているからだ。優れたチームは、必ず全員の意見を真剣に考慮する。それが、グループによる最終決定を支持しようという意見を生むのである。それがどうしても不可能なときは、リーダーが決断をくだすことが許される。
確実性
優れたチームは、一致団結して決定を支持できることを誇りに思い、その決定が正しいかどうかの確証がなくても、責任を持って明確な行動案に従う。何も決定しないよりは、何か決定した方がよいことを理解しているからだ。また、優柔不断よりは、大胆に決定してまちがえる方が、そしておなじように大胆に方向転換をする方がよいことを理解している。
パトリック・レンシオーニ. あなたのチームは、機能してますか?(Kindleの位置No.2077-2081).株式会社翔泳社.Kindle版.