説明責任の回避
この機能不全の本質は、仲間の態度をとがめることによって対人関係が気詰まりになることに耐えようとしないことと、難しい会話は避けようとする人間の一般的な性質である。
優れたチームは、このような本来の性質を克服し、他人との「危険領域に踏み込む」ことを選択する。もちろん、たとえ強力な人間関係を築いている結束の固いチームにとっても、言うのは易く、実行に移すのは難しい。むしろチームのメンバー同士が親しいと、貴重な人間関係を危険にさらすことを恐れ、相手の責任を追求するのをためらうことがある。しかし、互いが期待を裏切ったこと、グループの基準を低下させたことに対し、メンバーが憤るようになり、かえって人間関係が悪化するだけである。優れたチームのメンバーは、互いの責任を追求することによって、相手を尊敬していること、相手の仕事ぶりに高い期待を寄せていることを示し、それによって人間関係を向上させる。