作業興奮
一度作業を始めると湧いてくる集中力や意欲のこととして使われている用語(俗語?)。
ドーパミンが出るとやる気になる
ドーパミンを出すには達成が必要
ドーパミンは作業をしていても出てくる
ドイツの精神科医エミール・クレペリンによって提唱された概念(ではなさそう?)、心理学用語(でもなさそう?)
shimizukawa.icon 1次情報を調べた人のまとめによると、「作業興奮」という用語は最近広まったモノかもしれない クレペリンが提唱したのは、作業を始めたあとに出てくる「興奮」状態(作業量の増加)があること
「興奮」は「作業興奮」で言われているような「始めればやる気が出てくる」意味合いを含んでいなそうなこと
「作業興奮」に類する英語の文献が見当たらなそう
とはいえ「作業興奮」で言われている「始めればやる気が出てくる」ことを否定するものでもないこと
1、「作業興奮」という言葉(概念)は、いつ誰が考案した言葉なのか。
2、「作業興奮」という言葉は、本当に正式な心理学用語(学術用語)なのか。
3、「作業興奮」という言葉は、本当に「心理学者クレペリン」が考案したものなのか。
4、精神科医のクレペリンは「心理学者」に該当するのか。
5、クレペリンが作業曲線の研究で「興奮」という因子の影響を考慮したことが、そのまま「作業興奮はクレペリンが発見(提唱)した」ことになるのかどうか。
というわけで、長くなりましたが、結論的には、現時点で私の中では「作業興奮」という言葉は信頼性が低い、いわば“都市伝説”に近い言葉になりつつあります。私はむしろ、ちゃんとこの言葉が存在してほしいと思っているのですが、今のところどうも都市伝説的なワードの臭いがプンプンしております。
ただ、「作業興奮」が都市伝説かどうかの真相はともかく、実は私は別の理由でこの言葉の意味する作用自体は確かに存在していると思っていて
・「作業興奮」という言葉は,「やる気の上昇」の意味ではなく,当初は「単純作業における作業量(パフォーマンス)の一時的な上昇」の意味で用いられている.この現象を「作業興奮」と名付けたのは,内田勇三郎先生である可能性が高い.
・「やる気の上昇」に近い意味で,作業興奮という現象に説明をつけたのは,戸川教授かもしれない.だが,それはパフォーマンスの一時的な上昇に対して付けられた仮説的説明に過ぎないため,実験により直接的に実証された事実ではない.
・ドイツの精神科医(心理学者ではない)であるエミール・クレペリン自身は,作業興奮という単語を定義した可能性は低い.
・一般に作業興奮という単語を浸透させたのは,池谷裕二先生の著書(初版は2005年)である可能性が高い.もしかすると,ドーパミンや側坐核による作業興奮の説明は,池谷先生が補足した情報が,クレペリン自身が提唱したものとして独り歩きしてしまったものではないか?