【交通事故】東京都内における未成年者による自転車事故とその保護者の責任
東京地裁令和5年10月6日判決(交民56巻5号1333頁)
裁判所は、東京都内において令和2年4月1日から未成年の子が自転車を利用するときは保護者において自転車の利用によって生じた他人の生命または身体の損害を賠償する自転車損害賠償保険等への加入が義務づけられていたことを認定し、その趣旨について、「近時、自転車による事故の損害賠償が高額化する事例が散見されることに鑑み、被害者の保護に欠けることのないよう、保険加入が義務づけられたもの」と解した上で、「このような保険加入義務化の趣旨に鑑みれば、同日以降、東京都内において、自転車損害賠償保険等に加入しないままその保護する子に自転車を運転させていた保護者は、その一事をもってしてもその子のする自転車の運転に対する監督義務を果たしていないものというべき」であるとして、自転車損害賠償保険等に加入しないまま未成年の子(中学2年生)に自転車を運転させていたその両親に対し、その子による自転車事故につき共同不法行為責任を認めている。