【交通事故】日本版CRPS判定指標と後遺障害認定
東京地裁令和5年9月25日判決(交民56巻5号1223頁)
裁判所は、「日本版CRPSによる判定指標は、医療分野における臨床用の診断資料とされるもので、自賠責保険における認定基準とは異なるものである」とした上で、「自賠責の認定基準を全て満たすものでなければおよそ後遺障害として認めることができないと解する理由はないが、CRPSはいまだ医学的説明が困難な原因不明の疼痛症状であり、損害の公平な分担を趣旨とする民事損害賠償の場面において、医療の場面に用いる診断基準をそのまま当てはめて後遺障害を認定することは相当ではない」と判示している。