21世紀の道徳 ベンジャミンクリッツァ―
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第一部 現代における学問的知見のあり方
マルクスの間違い 「幸福は社会的諸関係の総和である」
人間を生物学的な見方をするダーウィニアンレフトが必要 人間の本性についての正しい理解
左派のダーウィニズム嫌い。右派に使われてきた歴史。
社会が意識を決定する。生物学的側面の不都合さ。
シンガー「全ての不平等が、社会的なものでは無い」 原因に対する正しい処置が必要
人文学の意義批判とその応答について
三谷尚澄「箱の外に出て思考する力を養う」
異物に対する耐性が身に付く 前例のない事例にも柔軟に対応できる
メタ認知できる人がいると、不都合・異物に対応できる
民主主義の健全な機能のために
ヌバウム「デモクラシーには批判的思考と想像力が必要」他人の視点を想像する
ポピュリスト・政治家 vs 人文学
第3章 なぜ動物を傷つけることは差別なのか
差別の性質
差別と区別の違い
権利と種差別
シンガー「感覚(苦しんだりする)を持っていることを権利の判断基準にすべきであり、知性や合理性を基準にするのは恣意的」
権利の付与には相互性が必要だと思われているけどいらねんだわ
最善の判断を志向しようね
倫理的な判断とはトレードオフに対して最善の回答を行おうとする判断である
第二部 功利主義
権利と権利の対立を解決する功利主義
最大多数の最大幸福
これやりすぎると今度は権利がないがしろになる
ジョシュア・グリーン「道徳に対する人間の心理には欠点や限界があるからこそ、議論はそれらに左右されない理性的な物でなければならない」
共有地の悲劇
「私」ではなく「私たちの」利益を優先させるのが道徳
情動とそのトリガー
道徳のオートモードとマニュアルモード
同集団内ではオートモードが有効。しかし、部族間のジレンマには理性に基づいたマニュアルモードの道徳が必要
マニュアルモードの道徳とは、情動ではなく理性で対立を捉えて、問題を分析し適切な対処方法について考えることを可能にする。
実用主義的功利主義
「メタ道徳」指標としての幸福
すべての条件が等しければ私たちはすべての人の幸福の総和が増すことを好む(グリーン)
権利という言葉は、意外と主観的。主観的なものを客観的で公平性なもので正当化できる。
権利とは私たちの内側にあるものを正当化し強弁するためにやつ そこにないのにあるように議論できる
功利主義は幸福の総和によって定量化可能。権利は不可能。?権利も図れるくね?
功利主義は意識の外側にある結果も考慮に入れることができる
虐殺などは人々の中にあるコモンセンス。すなわち解決済であり、権利を持ち出すことは有効であるという功利主義。
逆に現在進行形の議論について権利を持ち出すのはナンセンス
権利と権利の衝突にはトレードオフの思考が不可欠
第五章 トロッコ問題
密着効果 危害を加える可能性が引き起こす嫌悪感
トレードオフからは逃れられない
第6章 マザーテレサ 名言の効果と利他主義
「かわいそうランキング」というマジックワード
特定可能な被害者効果
統計的な情報より個人的なエピソードの方が人のを助けたいという気持ちに強く訴えることができる
統計的情報に対して寄付をするにはマニュアルモードの思考が必要だが、個人的エピソードに働くのはオートモードの感情
わたしたちをより強く行動に導くのはオートモード
わかりにくいかわいそうランキング主義者とわかりやすい海外の被災者
かわいそうランキング主義者は合理的で偽善者は俺らを無視する非合理主義者?
高速な通信によって不可能だった遠い人への配慮ができるようになったよ
かわいそうランキング批判者は、自分たちを救えという性質
選択的に批判しておきながら自分たちを救えという矛盾
効果的な利他主義
最大限の影響を考え、科学的に試行する。
できる限りの資源で科学的に考えて良くしようね
収穫逓減の法則
これが富裕層が最貧国に寄付する根拠 現状との差分による幸福のトレードオフの最大化
途上国の方が投資に対するコスパ(救える人間の総量)が大きい
マジで合理的に考えたらかわいそうランキング批判者は後回しになっちゃうよ
批判しているバイアスに対して自分も対象になるんじゃないのって考えたほうがいいよ
第三部 ジェンダー論
7章
マンスクレイピング
男性自殺問題も社会的プレッシャーと男らしさ論にすると女性側は説明しやすい
問題は社会からの規範の押しつけ 男女問わず
彼女らのいう「男性」一体どのようなものなのか?
男性の生物学的性質、本質に迫る
男性は物、女性はヒトに興味を
進化心理学から見ると、システム化と共感思考 ⇔ 有害な男らしさ
政治の領域ってシステム化が有利
ダーウィン:社会的地位と結婚。女性は社会的地位の高い男性を望む。男性にとっては、社会的地位が女性に近づく機会を増やすことになる
攻撃的なのは社会的地位の争奪戦に勝つために有利な性質
共感も無いほうが良い
60s:性差は文化的な力によって生み出されている
現代:それは旧来の考え方
男性同士のケアの難しさ
男性は女性よりも孤独になりやすい
自閉症 = マインドブラインドネス
システム化志向が極端な例
男性のマンスクレイピングは、実際には社会的なものを内包しているから起こるのではなく、マインドリーディングができていないだけなのかも
マンスクレイピングは女性側からの主張が多く男性視点からの話「なぜそれをしているのか?」という話が無い
社会規範から出発するだけでなく、生物学的な議論も必要である
そうすれば、実際の男性はどのような存在であるかというより本質的な議論が展開できるだろう
原因に対する分析に間違いがあれば、提案される対処法も自ずと的外れなものに...
第四部 幸福論