キャッチアップする
👉メンテナンスの5C
低性能は省エネかつ流されない生き方になるが、しばしば閉鎖的で独りよがりになりがち → たまには外も見に行ってアップデートする
背景
すでに述べたとおり、低性能は閉鎖的な生き方になりがちである。そのため:
遅れる
現状維持が未来永劫続けば良いが、そんなことはない
時代は変化しているし、自信は劣化する
📝ルーズ・ディベロップメント(緩やかにでも成長と変化を続ける)がなければ、現状維持すらままならない
偏る
腐った組織や集団、あるいは個人を何度も見聞きしたことがあると思うが、人間である以上は誰もがそうなりえる
特にひとりで居続けるとなりやすい
「偏りすぎたメンバー」は最悪追放されるし、そうでなくとも周囲とノリが合わずに生きづらくなる
生きている以上、ある程度の仕事と人間関係は必要であり、ここ全般に支障が生じるのは不便
低性能はひとりで居ることが多くなりがち、つまりは偏りやすい
偏りを食い止めるために、外からのフィードバックをある程度受けねばならない
キャッチアップのメリット
遅れと偏りを防ぐことができる
もっと言えば、防ぐためのきっかけと出会える機会を増やせる
キャッチアップとは何か
Ans: 追いかけること
ある居場所で置いてけぼりにならないために、自分にとって新しいものを中長期的に追いかけること
キャッチアップは以下を満たす:
1: 居場所に居続けるために行うこと
会社でも、趣味の界隈でも、現在の役割でも何でも良い
特定の居場所があって、そこで置いてけぼりにならないためにキャッチアップをする
ということは:
置いてけぼりを気にしないなら、しなくていい
居場所として根付いてない(参加していない)なら、しなくていい
極端な例: Microsoftに入社したときのために同社製品の予習をしておかなきゃ → 意味ない(入社が確定してからやれ)
2: 自分にとって新しいこと
ただの確認や管理はキャッチアップではない
キャッチアップは必ず「今の自分にとって新しい何か」である
よって新しい学びや刺激が常にある
新しいので理解にそれなりの時間や体力も要する
3: 中長期的に取り組むこと
必ずしも仕事のように確実に進捗を出す必要はないが、少なくとも取り組み続ける必要はある
自分ごととして自分に反映するには、ある程度の長さが必要なため
逆に短期的なキャッチアップは(よほど詰め込まなければ)意味がない
楽しかった、面白かった、ふーんなど消費して終わる
短期的なキャッチアップはもはや「詰め込み」である
例: 一夜漬け、オンボーディング etc
数字で言えば日よりは週や月の単位、また年単位もありえる
何をキャッチアップするか
動向
table:t
Communication 誰が、誰に何をしたか
Creation 誰が、どこに何をつくったか
Customization 誰が、どこをどう変えたか
構成要素
居場所を構成するすべてのもの
人物、ルール、文化、知識、スキルなど
体系化されていることもあるが、されていない(いわゆる暗黙知)方が多い
補完
居場所でもっと上手くやるために、自分に足りなそうなこと
知識、スキルなどはわかりやすい
「自己理解」や「業界や界隈や国の文化の理解」もありえる
特に低性能は、性能が低いがゆえに常識を理解していないことがあるので、日本の文化も実は改めて学んだ方が良かったりする → 異文化理解力
キャッチアップの方向性
その居場所に特化して追いかけるか、特化せず汎用的なものを追いかけるか
特化
その組織その人の細かい文脈を追いかける
≒一緒に過ごす時間を増やして、色々話すことで知っていく
汎化
その組織その人が使っている「汎用的な」ものを追いかける
例: 職場でMiroを重用している → Miro自体を調べたり使ってみたりはできる
どうキャッチアップするか
Get and Read
情報にアクセスできるなら、アクセスして目を通す
Join and Talk
アクセスできないか、手段がないなら、人が集まる場所に参加して集める
イベントや雑談、その他会話などでやりとりされるものを見聞きする
自ら当事者となって参加する
キャッチアップへの時間のかけかた
定期
毎日数分から数十分をかけて、情報に目を通す
例: XTwitterやYouTubeのタイムライン、RSSでウェブサイトやブログを購読、ニュースサイトやまとめサイト
入門
特に追いかけたい対象について、そのさわりを、数十分から数時間をかけて学ぶ
休日などゆとりある日に費やすか、仕事、通勤、その他生活での長い待ち時間で費やす
例: 万文字に迫るか超えるような長文記事、ポータルやWikiなど情報量の多いサイト、長い解説やインタビュー動画、書籍やPDF
数十分から数時間をかけて学ぶ
これは理想であり、実際は理解につまづいたり準備の手間などがあったりして、上手くいかない
理想的に集中できれば2時間で学べるが、実際は一週間かかった、時間にして5時間かかったなんてことはざらにある
どちらかというと「ここまで終わらせる」ではなく「2時間かけたところまで」のようなベストエフォートの方が良い
前者だと低性能には思ったより高負荷になる恐れがある
別にノルマや命令ではないのだから、無理せずキャッチアップすればいい
後者でも足りないなら、そのときにさらに追加すればいいだけ
ちなみに仕事などで前者が求められている場合は「詰め込み」になる
低性能としては避けたい展開
参加
開始と終了が指定された、何らかのイベントに参加する
例: 勉強会、対話会、説明会、相談会、何とかラジオ
社外イベントとは限らず、社内や身近でも事実上イベントとして扱われているものがある
例: 同部署の一部メンバーが毎日一緒にランチを食べている
非公式に高頻度で開催されていることがある
例: 会議の前後でしばしば盛り上がる雑談
寄り道
情報が多く置かれている場所に足を運んで、十数分から数十分くらいでテキトーに漁る
目的がなく、いつ何と出会うかもわからないが、「気になる」と出会えたり深堀りできたりすることがある
例:
本屋、書籍コーナー、図書館、資料室
会社の、普段は見ないが見れはする場所。社内システム、共有フォルダ、社内サイト、チャットのチャンネル etc
たまに気になって仕方がない何かに惹かれることがあり、その場合は一時間以上費やしてしまうことがある
それはそれで良い。運命だと思って、素直に溺れてみれば良い
指示・推奨
周囲から指示されたもの、あるいはおすすめされたものを追いかける
その場で(あるいは後で落ち着いたときでもいい)数分から十数分かけて、軽く理解するニュアンス
このやり方でもダメな場合は、「入門」としてキャッチアップすることになる
例: 上司からの「これ見といて」、同僚が騒いでいる「~~がやばい」
低性能とキャッチアップ
なるべくGet and Readに頼りたい
Join and Talkをこなし続けるだけの性能がないからである
例: 毎日定時間の仕事もへとへとなのに、その後飲み会なんてできるわけがない or 無難に振る舞えるだけのリソース(時間・注意力・お金・余裕)が残ってなくてやらかし率が高い
一般人であれば「飲み会に参加し続ければいいでしょ」で済むが、低性能にはできないのである
しかし、Join and Talkから逃げてはいけない
2025年現在、Join and Talkに頼らず仕事や生活をするだけの技術と方法論は揃っているが、人間が原始的で欲深い。かつ、一般人はあえて我慢する必要もない(さばける性能がある)。よって、Join and Talkはなくならない
Join and Talkの一切から逃げることは、大きな機会損失になる。また、それがわかっているからこそ、周囲の優秀な人も逃げずに我慢してある程度は頑張っているはず
低性能も例外ではない。参加できそうな場合は参加しておきたい。年に3回参加しましたと0回でしたとでは、一般人目線ではしょぼいかもしれないが、低性能目線ではだいぶ違う。その3回の経験が今後の命運を分かつこともある
Join and Talkが少なすぎると、周囲と価値観が合わなくなり、排斥されやすい。自分としても及び腰になってクセになる。組織からの追放にもつながる。しかし、たった年3回でも(あるいは2回でも1回でも)、やっておくと少しは違う。排斥や追放に至ってしまうラインの手前で止まれたりする
使いやすいバランスは、ありきたりだが「新しい顔ぶれの場合に」「最初の一回だけは」参加してみること
キャッチアップは落ち着いた状況で行う
一般人は忙しい仕事や日常をおくりながら、キャッチアップも行える
逆に低性能にはできない。できるだけの性能がない
だから低性能は「キャッチアップを行うためだけの時間」を確保しなければならない
キャッチアップは深堀りではない
キャッチアップは、あくまで全くの無知だったものを、さわりだけ知る程度のものである
0から1にする程度
深堀り(10や100にする)ことは想定していない
深堀りは、キャッチアップしたあとに改めて判断して、必要なら行うべき
なのでキャッチアップは広く浅くで良い
とはいえ、0から1しかしてないのなら、それはコンテンツの消費と変わらない
次で述べる
キャッチアップと行動
キャッチアップしたことは、できれば具体的な行動につなげたい
行動して身体性を伴わせなければ定着しないからである
特に低性能は、ただ学んだだけでは生かせるようにならない
理解はしてましたが、思い出せませんでした
行動とは:
自他に具体的な影響を与えること
深堀りすること
とはいえ、キャッチアップしたことすべてを行動に繋げる必要はない
そんなことはできやしない
どれをどれだけ行動につなげるかは自分次第である
羅針盤の話になる