019_dd books
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こんにちは。ようこそ、お越しくださいました。
センイチブックス店内入ってキッチン側の本棚に入店しております。改めまして、dd books と申します。ディーディーとお読み下さい。
ぎっちぎちに詰めた本と、木製のエンジン模型が目印です。
「DanceとDiy玩具専門」をテーマに選書をやらせてもらっているのですが、最近店内で「Donguri」を育て始め……つまり……迷走しております。
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今回は、そんな具合になってしまった当店の、本来の目的と方向について、この場を借りて、確認し直してみましょう。
さて、改めて当店のラインナップを見てみます。片やヒップホップダンス、コンテンポラリーダンス。片や、竹とんぼ、輪ゴム鉄砲から自動人形、ガンプラにフィギュア、スーパー戦隊のロボット……。自分で見てみても、「散らかってるなぁ」とは勿論思ってるんです。本当ですよ!
当店で取り扱っている2つのテーマ、「ダンスと手作り玩具」。あまり関係のなさそうな2つには、私からすると、ある共通点があります。
両者とも、「最近の書店では隅のほうに追いやられがち」なんです。もちろん両方とも私が好きなものという点も含めて。
古書店やセレクトショップであればまた違いますが、まちなかのチェーン店となると、ガンプラの書籍はギリギリ見かけるけれど、ダンスともなると健康目的か初歩むけの書籍ばかりです。少し専門的なものになると、そもそも出版すらされていなかったりします。買い手がつかないからです。
まちなかの書店がありふれた光景になってそれなりの年月が経ち、棚主の我々のほとんどが生まれたときから「本屋」というものは、少なくとも外見上は、いまの形のまま存在してきました。だからこそ、あまり意識しないのかもしれませんが。
意識してみると頓に、出版物の幅が狭まってきていることに気付かされます。
暇潰しの形態の変化、消費人口の減少、時間との付き合い方の変化など、原因はいろいろとありますが、これが果たして望ましいことか、仕方がないことかと考えたとき、「そんなことはない」というのが私の感想です。
読む権利を売買するだけの電子書籍よりかは、紙の方が保存は容易ですし、売れ筋に傾倒した本は、どんなものも似たりよったりなものばかり。加速度的に消費され、どんどん忘れ去られていきます。保存されることは勿論、承継されることもなくです。
「クールジャパン」という概念がぶち上げられて久しいですが、日本は何もアニメだけでなく、身体表現やものづくりにおいても、優れた成果があります。しかし、それらに外野から気軽に見ることができる機会は、奇妙なほど少ないのです。
ものづくりであれ、ダンスであれ、クリエイションの現場は高度な統制が敷かれがちです。さらに、見学に行ったはずのスタジオでいきなり練習が始まっていたり。いきなり企業秘密を見せられたと思ったらもうプロジェクトの中核から抜け出せなくなっていたり。「見学のみ、お断り。」の不文律があるように思えます。
語弊を恐れずに言えば、どの業界も依然として「1度入ればむしろ容易には出られない」世界であり、それ故に現場見学はおろかふれることすら敬遠されるのでは?と、思うんです。
なぜこんなことになるかと言えば、話題が前後しますが、「触れる、見る母数がまだまだ少ないから」。オープンにならず、業界は閉塞の一途を辿る螺旋が構築されていっていると思っていいでしょう。
もちろん、高度な作品は「密」な空間でこそで生まれるという事実も受け入れた上で、それでも開放していきたい。携わる人でなく、ただ知っている人や、敢えて片手間でやる人をもっと増やしたい。その為にまずは、人目につくようにしたほうがよい。そうしなければ、どんなに高度な成果であっても、すぐ忘れ去られてしまうから。
そんな事をぐるぐると思いながらセレクトした本たちが、当店には並びます。
あぁ…論が飛躍してますね…。
多分書き直しますが、いま私が、選書にあたっての思いのようなものをそのまま文字に起こすと、このようになりました。
店番は去年はあまりできませんでしたが、今年は多めに入るのが目標です。
お客様に、ここの熱量をそのまままくしたてるようなことはしませんが、桜の枝で鉛筆キャップを作ったり、ちょっとした玩具を作りながら、ゆったりとご一緒できれば幸甚に存じます。
お付き合いくださり、ありがとうございます。ご来店を、お待ちしております。