キースイッチのステムが折れた場合の対処方法について
キースイッチのステムを光造形プリンタなどで制作した場合、積層痕に沿って折れることが多い。
MX互換のステムを垂直に積層していた場合は、ステムの中にあるバネを受ける軸が折れてしまい、使用できなくなる。
対処方法
ステムの中にあるバネ受けの軸を移植する。
必要なもの
Φ1mmのピンバイス
Φ1mmの真鍮線 断面が丸いもの。Wave の模型用のものが安くて入手性が良い
治具 L字型のアルミフレームを1センチくらいの長さに切ったもの。もしくはプラバンを2枚垂直に張り合わせたもの。
1 ステムの中央に細いマジックなどで印をつける。
※もともとステムがついていた場所よりも、MX互換軸のキーキャップをはめる側の十字形の中心に軸を打つのが安全っぽい。
2 ステムをトップが平たいキーキャップ(DSAとかXDA)にはめて、滑りにくくする。
3 治具を当てて、ステムを切削する。
この時リーフスプリングを押す壁の部分に力が加わると折れる。
二次災害だ。慌てずに瞬間接着剤でくっつけよう(だいじょうぶなのだろうか)
ステムが2ー3ミリくらい掘れたら、ピンバイスを抜いて、削りカスを除去する。ブロアとかあると便利。
堀った穴に真鍮線を挿して、ぐらつかないか確認。ぐらつくようなら、もう少し深くピンバイスで掘る。
安定したら、もう一度削りカスを除去して、瞬間接着剤を流し込む。
4 真鍮線を挿し込む
瞬間接着剤が硬化するまで待つ。
瞬間接着剤が溢れたら、MX軸側に溢れた場合は、カッターナイフなどで除去する。
NGアイテムはティッシュペーパー。めっちゃ一体化して取り返しがつかないことになる。
ステムの内側に溢れた場合は、諦めよう。
5 真鍮線をニッパで切断する。
同型のステムのバネ受け軸の長さに合わせて切る。
このとき、ニッパの根本付近を使うこと。
真鍮は硬度が高い金属のため、力をかけやすい部分で切らないとニッパが破損する可能性がある。
以上で手順は終了。
tips
Φ1mmのプラスティック棒はぐにょぐにょなので使用不適と判断した。
etc
余裕があればΦ0.8mmの真鍮線を使ってもよさそう。
その場合、アルミパイプ(内径Φ0.8)などを組み合わせて、バネ受け軸を太らせることが可能になる。
アルミパイプを切断するのには、パイプカッターが必要なので未検証(特に高いものではないけれど、めんどくさかった)
アルミパイプに粘度の高いグリスを塗ることでモッタリした軸の動きが作れるかもしれない。