蹴球部報告
成蹊中學校「こみち第二文集」158ページ(1918年(大正7年)12月18日発行) 蹴球部は以前は運動部の一部でありましたが、本年の四月から不言會内に純然たる一つの蹴球部として置かれる事になりました。それ以後は次第に必要な道具も購入して我が部も段々整理してきました。然し移轉以來運動場の修理で思ふ樣にする事が出來ず、又夏の學校中の大會豫定當日には内野先生もいらつしやらず、運動場も整頓してゐなかつたので、已むなく延引致す事になつたのを眞に遺憾に思つて居ります。
フツトボールは英國の國技として英國では盛に行はれ知識階級の人々の間にも中々流行してゐるさうであります。一體此の遊戯は足ばかりではなく、體全體の運動にもなり、又多人數を要するところから相互の一致や臨機應變の處置を取らねばならぬ點に置いては、身體上のみならず精神上にも大いに益する所があつて、遊戯としては最も優秀な且現代的なものであらうと思ひます。
今や金風心地よき中秋の候、この十月には第一回の秋期蹴球大會を催します。尚これに付屬してゐるヴアーレーボールも十月中には始める考であります。(西里生)
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