編入試験当日(東京)
筆記
フォレスト本郷に泊まった。雨だった。東京の筆記試験日は毎年雨らしい。受験者の席の前にビニールが設置されている。部屋に入るときも検温を受けた。
全体的に東京の試験はリッチだった。解答用紙はつるつるした紙だし、工学部2号館の1F(地下っぽい)の試験室は照明が厳かだった。SurfaceやiPadを持って復習する人が多かった。椅子はオカムラだった。もちろん難易度もリッチ(涙
解答用紙はすべて共通で、上に受験番号と問題番号の欄で、その下には罫線が30行分、だいたい1cm間隔で引いてある。複雑な分数を一行に収めるのはちょっとしんどいが、罫線は細いのではみ出して書いても読みづらくならない。この大学は階の数え方が異常で、普通に地面からテクテク歩いて入ったところが2階なので混乱した。
英語
例年通りか、やや簡単?一つだけよく知らない単語があった(和訳の一番最初の小問かな?)のと、いくつか訳に迷ったところはあった。
1問目:「Zoom疲れ」に関する文章の和訳
2問目:英訳
3問目:微生物の多様性に関する文章の読解
7割ぐらい?
数学
例年通りの難易度。
1問目
前半:よくわからん微分方程式を誘導付きで解く問題。東京がよく出すやつだが、変形してもきれいにならなくて一度は放置した(後から完答)
後半:二階線形を未定係数法で解く。設問が特殊解→一般解の形で問うてきたので混乱して手こずった(特殊解の次数間違えて両辺がゼロになっちゃうやつね)。焦らず自分のやりたいようにやりましょう。最後は意味不明。
2問目
副作用がテーマの条件付確率と、複数回の試行で初めて副作用が起きる確率。幾何分布に従う。幾何分布の分散を求める方法がわからなくて一旦飛ばした。大昔にやったけど思い出せなかったので、定義だけ書いて終わり。
3問目
小問ポコポコタイプ。もう昔のような「大問まるまる使って留数定理」は出さないのかな?
(1)は$ z^6 = i になるzを図示するやつ、三角関数で書くのはいいんだけど、その次に「三角関数とか指数関数なしで」書かされた。「え?なんで?」と思って飛ばした。あとでやろうと思って埋め忘れたかも。
(2)は簡単な複素積分。
(3)は一次変換。対策していたのに他で時間を食って結局手をつけられなかった…
4問目
対角成分がaで、他が全部1のn次正方行列の行列式
対角成分がbで、上側が全部1の上三角行列
正則を示して、逆行列を求める。逆行列は全然わからなかったので、先輩を見習ってn=2,3の場合を書いて部分点狙い
大問順に、8割6割6割5割で全体では6割?
物理
全体で見れば例年通り…?
1問目:斜面を転がる剛体
摩擦があったりなかったり滑ったりする、特に言うことなし(つーかよく覚えてない)。
2問目:電磁誘導で、二本の導線の上を転がる導体棒
こっちも半分ぐらいは問題集にあるようなオーソドックスな出題で、残りは回路の負荷として使われる抵抗がインダクタになったりコンダクタになったりする。『名問の森』に似た問題があった。
量が多くて大変だったが、3問目を丸ごと捨てたおかげで時間が生まれたのでちょこちょこ解いていったら結構埋められた。実効値は「正弦波電流だから最大値を $ \sqrt{2}で割って終わり!」と雑に書いてしまったし、最後も定性的に説明する問題だったので10秒ぐらいで考えて「たぶんこうやろ!」と書いた。
3問目:ほとんど白紙。1,2 問目で典型的なテーマを扱ってきたからか、3問目は何言ってるかサッパリだった。マイケルソン干渉計というものらしい。複素数で表現された波がビームになって反射して位相がずれて云々。↓こういう図があった。
https://gyazo.com/4b6c7722990b3f37c3ea9a73612b9487
とりあえず(1)を解くと定数が出て「ダメだこりゃw」と思ってやめた。もう30分あれば半分ぐらいはなんか書けたかもしれない。
1, 2問目はわりとそれっぽいこと書いたので、5割ぐらい?
試験中ずっと右手が震えていて面白かった(左利きでよかった)。終わった科目のことを話して不安になりたくなかったので、休憩時間は誰とも話していない。昼食は自販機の横のベンチでとった。全科目が終わってからちょっと同級生と話した。
ちなみにここに書いている得点割合は「合っていると思う小問数 / 全小問数」。おそらく相対評価なので点数は正答率と一致しない。物理3問目も破滅した人が多いようだったので、合格の可能性としては半分程度だと思った。
結果、明石高専5Eからは5人受けて4人合格。Studyplus勢もけっこう受かっていて、メッセージ経由で大学からのメールとかホテルとか情報交換した。
面接
10分おしゃべりするためだけにパンデミックさなかの東京に日帰りで行った。例年筆記で20人とって、たいてい面接は全員通るのでほとんど身構えなかった。なぜか毎年英語面接の練習をする受験生がいるが、もう8年近くされていないので、筆者は何もしなかった。前日に研究の指導教員に面接練習に付き合ってもらうことになっていたが、急用ができたのかどこにもいなかった。結局対人の練習なしで突撃した。
工学部3号館の待合室は感染対策のため席と席の間隔が広く、とてもじゃないが他の受験生と話せる雰囲気ではなかった。それでTOEICの点数を聞いて回る人もいなかった。もし聞かれたら485点と答えるつもりだった(リーディング485なので嘘はついてない)。
面接対策のノートを使って頭の中で話してみたり、設備をぼんやり眺めたりしていたら、いつのまにか誘導がかかった。階段を上がりいざ面接室へ。外から様子が見えるようになっていたので歩きながら(こんな感じなんか)と心の準備ができた。入る瞬間は若干緊張したが、「ああ荷物は適当なとこに置いてください」とニコニコ案内されて(なんかチョロそうやな)と思った。
阪大同様の広い部屋に、長机4つに10人ぐらい座っている。5人ぐらいに質問されて、どの回答に対してもある程度ウンウン頷かれた。和やかな雰囲気でかなりやりやすかった。
https://gyazo.com/44d5f755ab687156ceaa626b7421e661
聞かれたこと(順不同)
あえてマニアックな単語を省略せず、そのまま記憶の通りに書いている。
「まず、受験番号とお名前をお願いします」
「志望する学科と志望動機を簡単に教えてください」→OSとかアーキテクチャを体系的に勉強したいです〜と、これまでの経験を絡めつつ述べた。述べ漏れたところもあるが、志望理由書があるのでそれほど気にせず続けた。
「セキュリティコンテストというのは、どういう問題が出るんですか?」「いろいろ問題があって、RSAのパラメータが不適切で脆弱な暗号文を与えられて、それを破ってくださいだとか、プログラムの動作を解析してくださいとか、Webサービスの脆弱性を突いて…攻撃してくださいとか、そういうものですね」
CTFというワードが通じるかわからなかったので、とりあえず一般的なJeopardyの構成を説明した。
「SXSWに行かれたということですが、どうでしたか?」「(えっどうしよう)テクノロジーとアートとあと最近なら公共・ソーシャルの話もあって、正直よくわからないことも多かったですが視野が広がりました。現地のハッカソンにも参加して、そこでスタートアップとかビジネスの話も伺えて面白かったですね」
SXSWを正しく「サイスバイサウスウエスト」と読んでいるので、知っているか志望調査書を調べているかのどちらか。BDMの授業があるならハッカソンも通じるだろ、と思った。
「コンパイラはC…Cに限りませんがw 何を改造したんですか?」「GCCをしようと思ったんですが難しかったので、LLVMを触りました。一応メンターの方に見ていただける機会がったので(SH365ね)、大まかな方針についてはアドバイスを頂いていました」
「そういうことに興味があるということですけれども、現時点では考えている研究や研究室はありますか?」「はい、現時点で近いのは坂井・入江研究室…だと思っていて(やっぱりなと深く頷かれる)、近似計算とかSTRAIGHTアーキテクチャとかすごく面白そうだな、と」
「卒研はLPWAを使ったものということですが、具体的にどのようなことをなさっていますか?」担当教員にシバかれるので書けないが、ざっくりと説明
「課題はどこになると思いますか?」「やはり、LPWAは低電力ですが、ペイロードが小さいので…(以下略)」
「そのテーマはご自分で考えて?」「そうですね、もともとLPWAを扱う研究室ではありますが、テーマは自分で考えました」卒研のテーマは出願時にはきっちり細部まで詰めていなかったので、志望理由書にはあえて大雑把にコア技術だけ書いた。WiCON落ちたんだよね。
「試験はどうでしたか?」上述の通り答える。
「学校を出た後の進路は?」「そうですねえ、院試などはよくわからないんですが、卒研してなんとかなりそうだと思えたら院にも進みたいとは考えています。ダメそうだったら就職…いずれにせよいつかは就職するんですけれど、それでもコンピュータに関われる仕事に就きたいです」仕事したくね〜笑
「これだけできるなら(←?)…ベンチャーとか起業とかでもいけそうだなと思うんですがw」「そうですね…経営は難しそうですし、お金数えたりするのは苦手なので〜(一同笑う)、CTOとかだったらいいな〜って思いますw (ちょっと間が空いたので、付け足して)ベンチャーで働いたこともありますが、あれはあれで面白かったですね」
全部で10分ぐらい。併願校、英語やSXSW以外の海外研修については聞かれなかった。英語面接もなし。
「面白かった・面白そう」しか言ってない…もうちょっと深く掘り下げてもよかったかもしれないが、矢継ぎ早に質問が飛んできたので難しかった。自己アピールも熱意見せたりもそれほど。志望理由書にその辺は語らせて、面接はその内容を検証する(具体的なコンパイラの名前聞いたりね)形になった。
面接の後は同じ電情志望の同級生Nと三四郎池とか工学部を散策した。Nは京都が第一志望(だが、結構東京と迷っているみたい…)。彼が東京・京都を意識して勉強を始めたのは4年の12月からで、そこから1次試験までは学校で授業を聞かずにずーっと参考書で勉強して、家では何もしなかったらしい。席次も5年になってからは半分よりやや下。曰く大切なのは「いかに授業を聞かないか」。まあ、聞いた感じ勉強そのものの効率も良かったんだと思う。体験記等を書く気はないらしい。2021/9/12追記:結局書いたらしい。 面接が終わってからスマホを見たら担当教員から激励のメールが届いていた。前のコマ(Co+work)が長引いたためだったと後からわかった。
結果
発表まではのんきに過ごした。無事20人合格。
おまけ:面接順は志望学科でまとまっている
1次の発表に書かれてる通りなんだけど。来年以降控室でおしゃべりできそうな雰囲気だったら、同じ専攻の人と仲良くなれるかも。
一次試験の合格発表の受験番号の並びからも検証できる。二次の結果から受験番号と学科の対応づけて、それを右に書いている。
2022年度入学
11時00分→104, 134, 137 機機機
11時30分→160, 169, 173 シシシ
12時45分→117, 125, 130, 157 計精シシ
13時25分→106, 115, 131 電計機
14時00分→103, 142, 159 電電社
14時30分→148, 152, 156, 167 都都社建
2021年度入学
10時45分→106, 121, 124 機機物
11時15分→125, 130, 114 電電計
11時45分→139, 133 電計
12時55分→156, 166, 169 シ都シ
13時25分→149, 152, 155 シシシ
13時55分→175, 109, 111 シ精電
14時25分→119, 132, 143 電物化
2020年度入学
10時30分→15, 42, 43 電電電
11時00分→58, 73, 84 電シシ
11時30分→61, 76 建?(不合格なので学科不明)
12時30分→33, 49 物電
13時00分→20, 27, 32 計物電
13時30分→1, 18, 40 シシ計
14時00分→7, 9, 11, 53 機機機機
2019年度入学
10時30分→28, 39, 44 電電電
11時00分→21, 24, 27 物電物
11時30分→9, 17, 35 機計計
12時00分→37, 43 機精
13時00分→45, 74 社社
13時30分→53, 54, 55 シシシ
14時00分→48, 50, 64, 68 ママ建シ