編入試験当日(大阪)
実家から行った。基礎工の情報科学科・計算機科学コース。
筆記
東京と違って厳かな感じはなく、照明の明るい天井が高い階段型(?)の教室。試験官は3人で、声が小さい。手袋をつけて解答用紙を回収していたり、試験中にマスクを外すと「マスクを正しく着用してください」と印刷された紙で警告されるなど、相当気を使っている様子だった。
英語
例年通り。「東大より難しい」という人もいたが、傾向が違うだけではないかと思った。
1問目:和訳。簡単だったが、if onlyが「〜でさえあれば」か「〜のときのみ」かわからなくなって詰まった(最終的に"iff = if and only if"を思い出して切り分けた)。
2問目:読解。若干語句の意味選択が不安。empiricalとか知らねー。知ってる前提でもないだろうから、文脈から判断した。
3問目:英訳。やや訳しやすい文章になってはいたものの、いまいちニュアンスを伝えられなかった気がする。
全体では8割ぐらい? 試験終了後に同級生が集まって、終わった科目について問題評論を始める。メンタルが壊れるので緊急避難。
数学
簡単な問題と難しい問題がくっきり分かれていた。3問で120分なので多少時間ロスしてもなんとかなる。
1問目:微積。変数分離型の微分方程式を解いて、極限を取る。易しめ。最初問題文の「以下の 微分方程式 を〜」を見落としていて、微分積分法の基本定理を使おうとしてしまった(???)。
2問目:線形代数。3次元直交座標で、z軸周りの回転行列と、y軸周りの回転行列が与えられて、これらの積の固有値とその絶対値を求める問題。固有値か固有ベクトルに虚数を含むことが示唆されているので、図形的に不動なベクトルを考えるのはあきらめた。
愚直に計算しようとしたらとてもじゃないけど解けそうにない式が出てきたので、固有値の定義を一つの行列ごとに適用していこうとしたが(「$ A^nの固有値を求めなさい」って問題でよくあるパターン)ナンもわからん。とりあえず回転するだけなので固有値には1を持つし、固有方程式を解くと$ e^{i \theta}などが出てきたので絶対値は1ちゃうかな?wと書いて部分点狙い。
3問目:確率。確率$ pで表が出るコインと、確率$ 1-pで表が出るコインを用いた問題。簡単だったので10割か、何かとんでもない勘違いをしていて5割。
7割ぐらい?
問題評論に巻き込まれないようにトイレに直行すると友達がいて、「2問目のアレって***(←なんか難しい数)やんな?」「えっ…」ってなった。濁った池のほとりで昼食。誰もいなかった。感染対策もバッチリ。
物理
例年通り。
1問目: 力学。天井に吊るされた剛体棒を揺らす。前半は大人しく支点周りのモーメントを考えればいいが、後半はその支点が動き出す。一応のヒントはあったものの解法がわからずに放置して、終了10分前に(どうしようもないので)一気に埋めた。近似計算がおかしなことになったが、しょうがない。7割?
2問目:電磁気。なんかややこしそうだったのでパス。数学だったらしい(パスして正解)。
3問目: 熱力学。前半は分子運動論、衝突時の運動量に始まり、二原子分子理想気体の$ C_vを求めるところまで。後半はスターリングサイクル(等温過程+定積過程)。いつものワンパターンな出題で、9割は取れたかな?
8割ぐらい。
面接
受験番号801。百の桁はコースで、十以下の位は名前の五十音順。面接もこの順。
面接官は5人ほど。電通よりも広々している。受験者から見て右手前のおじいちゃんが聞いてくる。全体的によく頷いてくれる。
https://gyazo.com/7a921a60def5540e791076bf550b645b
聞かれたこと
「志望動機を教えてください」つらつらと述べる。基礎工は競プロ勢が多いので、競プロネタを使おうかと思ったがだいぶ昔の話だったのでやめた(突っ込まれたら困るしね)。
「試験はどうでしたか?」解けなかった場所についてもすべて埋めていて、自分の話よりも解答の方が雄弁だったので、さらさらと先述の内容を述べる。
「うん、熱力はよくできてるね…(ボソッ」
併願も卒研も研究室も、な〜んにも聞かれなかった。他の人は聞かれていたのでウワーッってなった。
口頭試問
「じゃあ、こちらの紙を読んでですね…」キター!
考える時間を含めて8分程度で答えるように指示されるが、実際は5分程度で答え終わった。基本情報技術者みたいな設問が二つ。
問1 線形探索と二分探索の違い(計算量、データの前提など)を問う問題
まあ $ O(\mathrm{log} \ n) とかざっくりしゃべる。「ランダムデータか、整列されたデータかという前提がありますが、一般的にはどちらを使うのがいいですか?」と質問をされた(実際にはもうちょっと曖昧な問い方と記憶)。一般のデータならそもそも二分探索は使えないだろ。「(平均の計算量とかアレコレ述べてみて)…よくわかりません」と返すと「ああ大丈夫ですよ」???
問2 以下から一つ選択
1. ネットワークプロトコルの階層構造と、それを用いることのメリット・デメリット
OSI基本参照モデルとか?メリットは関心が分離されて技術の更新が容易になることで、デメリットはそもそもそのプロトコルスイートの構成が実情にそぐわないものになる可能性がある…とか言えばいいのかな?
2. プロセッサの高速化技術を一つ
HTとか?よくわからん。
3. 公開鍵暗号のメリットと用途(これを選択)
メリットには共通鍵暗号と比較して鍵を減らせて、秘密鍵をバラまかなくていいですね〜と話した。用途にはベタだが署名を答えた。
その後鍵配送問題(Aが鍵ペアを生成して、その公開鍵をBになりすまして公開するのを防ぐにはどうしたらいいか)を問われた。実際にはもっと曖昧な言い方で「その公開鍵は…ほんとうにその人のものでしょうか、ってのは…考えたことはありますか?」って感じ。聞き返してもよくわからんかった。
とりあえず時間稼ぎにCAによって信頼を伝播させる仕組みを説明して「〜となりますが、結局このルートCAを信頼しなくちゃいけないので、ここがウィークポイントになりますよね…それをなくす方法は〜、ちょっと思いつかないですね」「ああそれで、大丈夫です」ほんとに??
面接が終わったあとで、CAを介さないならPGP(fingerprint)があるな〜と思い出したが、それも結局fingerprint自身が改竄の対象になるのでウーン。まさかコールバックとかじゃないよな。
友達曰く全体で7,8分程度。
結果
合格した。今年から面接直後の合格発表ではなくなった。明石高専5Eからは9人受けて2人だけ合格(浪人入れると3人)。数物で点差が生まれにくい問題だったので、英語で稼いだのかなあ。口頭試問の配点は不明。