編入試験の対策
数学・物理に注力した。効率とかなんも考えてないので、反面教師としてどうぞ。科目ごとの話は編入試験で使った参考書も参照。 具体的な方法
教科書を読んだ後、問題集を解いて、間違えたところ・自信のないところを抽出して解いて…の繰り返し。中盤以降は出なさそうな問題・難しすぎる問題を捨てた。知っておきたい一般的な事実は問題を解いた横に四角で囲って記録した。$ 3^2 + 2^2 + 1^2 = 13などあまりに頻繁に間違える計算や公式については別のノートに書き出してたまに見返した。四角で囲った内容も一旦まとめて書き出したが、解答の文脈から離れてしまってあまり役に立たなかった(書き出すこと自体は見直しになった)。
「理由がわからないと覚える気にならない」という人は多いが、筆者はいい加減なのでそうでもなかった。ただ定理の証明などは大事なので、とりあえず理解するようにはした(誘導なしで再現はあんまり自信ない…)。数学に関する学習の姿勢は豊田高専数学教室のがよくまとまっていた。またあらゆる公式をその場で導出するスピードも度胸もないので、必要そうなものは諦めてRemnote(物理, 数学)やノートで覚えた。 ポモドーロテクニックを採用していた時期もある(20〜30分作業して3〜5分休憩)。厳密には運用しなかった(できなかった)。メリハリとやらをつけるのも苦手だった。思い立ったときにふら〜っと始めて「めんどくせ〜」って言いながらやって眠くなったら寝た。内職もたまにしたけれど、結局授業も聞いて両方中途半端になってしまった。
勉強計画
これまでもTodoリストとかやってみたんだけど、大抵2週間過ぎたあたりで面倒になってやめていた。受験なら道筋がわかりやすいしできるかな?と思ったが、やっぱり続かなかった。毎日本棚をざっと見て「今日なにしよ〜、うーん、じゃあこれで」と言って適当に手を付けるのを最後まで続けた。
体験記を読むのもよいが、問題集を一周して範囲の大まかな地図を頭に入れてから過去問を見てみたところ、「あの大学はこれとあれを出して、それは出さないんだな」とよくわかった。一通りやっておかないと「出ない範囲」がわからない。計画を立てるのはそのあとでもいいかも。
記録と確認
定量的な記録はツールに任せた。勉強時間はStudyplusを、それ以外にはスプレッドシートと紙を使った。内面的・定性的な記録(感情・判断・流れ)はブログや日記に文章の形で残した。大きな絵を見直し、自分の立ち位置を確認するのに役立った。「勉強には疲れたけどゲームするのもなんだかなあ」というときの気分転換にもなった。 問題集に直接マルバツを書き込むのも手軽でいいが、俯瞰しづらかった。そこで、問題の多い本はスプレッドシートに、少ない本はノートを切り離したシートに問題番号とマークを書いていった。筆者が使ったマークは6種類。O(OK)・X(解法がわからない)・x(ケアレスミス)・R(review: 不安なのでもう一度)・T(timeout: 時間かかりすぎ)・I(insane: 頭おかしい・どうせ出ないから飛ばす)。
それでも方法の研究や現状の分析よりも演習を進めたほうがいい気がしてしまって、十分な時間を割けなかった。これらもStudyplusの勉強時間に算入して、もうちょっといろいろな方法を試すべきだったと少し後悔している。問題集の解き方も要領を得なかったから、効率よくやれば1500h程度に抑えられたかも。
質か量か?
まず量をある程度こなさなければやり方はわからないし、やり方がわかってくると質は上がってくる。ただ睡眠削って量をこなしても、それは質が低い学習なので、身につかない。…とは思うのだが、結局こういう「AかBか」という短い二項対立の論争はtogetterとYouTubeのエサにしかならないし、自分で考えても「質ってなによ?」から始めて日が暮れてしまった。あまり考えないようにした。
没頭したり「ゾーン」がやってきたりすることはなかった。すぐ気が散るタイプなので、机に向かう30分中20分ぐらい勉強を進められたらそれは十分「調子の良い日」だった。筆者の場合、特にダメになってくると部屋をウロウロする頻度が高くなるので、そういうのが出始めたら寝たり教科を変えたりした。
モチベーションをつくる・維持する
勉強を始めた時点で堅い動機(強い意志)がなかった。「パソコン触って手を動かせたらなんでもいいで〜す」って感じ。したがって、明確な目標で鼓舞するのではなく、小さいモチベーションを積み重ね、それを維持する方針を採った。
運と頭と家庭の教育投資で中途半端に乗り切れてきたところがあって、まともに努力したことがなかったので、今回もおそらくできないだろうと考えて、無理せず気楽にやることにした。逆に「いままで何も頑張れなかったからこそ受験では頑張った」という人もよく見るので、個人差が大きいのだろう。好きでもないことでそんな必死になれんよ…(INFP)。
どうせ直前期になったら焦って真面目にやると考えたので、それまでの期間のモチベーションを保つことを考えた(結局直前期はむしろモチベーションが下がってしまったのだが…)。飽きが生じることは明白だったから、同時にいろいろな分野・教科を少しずつ勉強したり(数物合わせて3,4単元ぐらい)、たまには関係ない分野をやったりした。
毎日1日7〜10時間勉強は発狂モノだが、調子の良い休日に8時間ぐらいやると「よく勉強したなあ」って気がするので、それぐらいできそうな日はそうした。もちろん勉強した自分に酔ってるとも言えるが、重要視したのは努力の量でも効率でもなく、とにかく続けることだった。結果として効率の悪い方法になったとは思う。
良い道具を使う
「編入のためだ!」って思うと結構なんでも買えてしまう。おそろしい。
椅子:サンワサプライで1万円強のを買った。アームレストとロッキングがついて、座面がメッシュだとやはり嬉しい。寮生のお決まりパターンである「座り疲れて布団で横になってそのまま寝落ち」が減った。
万年筆:力を入れずに書ける。シャーペンを握っていたのは結局試験中のみ。LAMY Safari(Amazonで2500円ぐらい)とkakuno(1000円ぐらい)で青系のインクを使った。
ノート:ルーズリーフや裏紙はすぐに散乱して大変なことになるので、若干値は張るがノートにした。PLUSのノートは安いんだけど、罫線の色が気に入らないので結局コクヨのCampusを使い続けた。
タブレット:過去問を見るのに重宝した。友達から送られてきた英訳に赤を入れて返すのにも使った。
タイマー:ポモドーロしたり過去問を解く時間測ったり。分解してスピーカー部分をセロテープでぐるぐる巻くと音を抑えられる。最近Mi Bandにポモドーロタイマーが追加されたので使ってみたんだけど、勉強時間が1/3ぐらいになってしまった。dretecの字がデカいタイマーに戻したら時間も戻った。なんで?
気分転換
やっぱり飽き性なのでいろいろやった。Twitterはやめようと思ったけれど結局やめてない(情報共有もしてた)。Twitterやめたらニコニコ(例のアレと音MAD)見るし、ニコニコやめたらプログラム書くし、プログラミングやめたら技術書読むし…。例のアレといえば、こんな人とかあんな人も受かってます。 いちおうプログラマの端くれなので、休憩がてらプログラムを書いていた。Anki/Remnoteのアルゴリズムを流用して、復習の周期を提案するシステムを作った。存外便利だった。最低限のコードしか書いていないので認証とかつけてないし、公開するかは迷っている(ないとは思うが、要望があれば修正して公開する)。下のスクリーンショットで大体理解してもらえればいいのだが…。「2」とか「48」ってのが問題番号(やページ数)で、「◎(簡単)」やら「△(苦労して解けた)」を押すと隣の数字にある日数後に再度表示されるって感じ。画像の例で「△」を押すと83日後に復習対象として浮かんでくる。
https://gyazo.com/ab48f877637155978d1d42b4642f462e
編入にはわからないことが多い
試験の情報が少なく、短期決戦の作戦すら立てられないので、早めに手を付けた(で、始めてしまうとやめられなくなってダラダラと…)。模試もないから、自身の状況についてもよくわからない。わからないことはしょうがないので、自由に解釈することにした。「このままじゃ落ちる!」と思って鼓舞するもよし、「まあなんとかなるやろ」と気軽に続けるもよし。筆者は後者を採用した。前者も何回か試してみたんだけど、普通につらくなってきてやる気が崩壊してデメリットしかなかったのでやめた。
自分で工夫して進んでいくことそのものは楽しかった。計画立てたり、問題集選んだり、情報集めたり…。完全に塾頼りだった高校受験とも、とりあえず参考書と過去問集1冊ずつやっておけば受かった情報処理技術者試験とも違い、いい感じの自由度があった。わからないところに時間をかけて悩めて、いろいろ自主的に本を読めた。あんまり関係ない本を読んだのも飽きを抑止する狙いがあった。プログラミングなど独学する機会に恵まれていたので情報収集については慣れていた。
勉強は一人で
解説・教科書・ネットを見てもわからない問題はとりあえず後回しにして、寝てから次の日に考え直した。それで半分ぐらいは「なんだそういうことか」となって、疑問が霧消した。それでもわからないときは図書館で調べた。ちなみに明石高専の寮の自習室はガラス張りだから外から丸見えで、なんか見せつけられてるみたいでめちゃくちゃ嫌だった。「俺も頑張らなきゃ!」となっていいはずなのだが、そうはならなかった。
教科書を読むほうがよくわかったのもあって、人にはほとんど聞いていない。英訳は一回だけ先生に見てもらった。人と勉強したのも4年秋の過去問を解く会のみ。あまり仲間を作ることにはこだわらなかった。Studyplusをスクロールして「コイツやっとるな〜」とつぶやくぐらいの関係が気楽でよかった。