トドマツ
https://scrapbox.io/files/64a6620d9ccfe4001cd9da31.jpeg
英名:Sakhalin fir
学名:Abies sachalinensis (Fr. Schm. ) Masters
生態:海岸近くから高標高まで分布し,広葉樹やエゾマツとの混交林または純林をつくる。
北海道で1番多く造林されている木であり、低地から高地まで広く分布している。日本全国で他の針葉樹とともに「青木」と呼ばれており、常緑であることからそう呼ばれていると考えられる。
山地に多く広葉樹やエゾマツとの混交林または純林をつくる。
森林は一定の系列で移り変わる。その遷移の最終のすがたを極相といい、土地の条件が変わらない限り極相林が安定して永く存在することになる。
北海道の山地(亜寒帯)ではトドマツ、エゾマツが極相林となる。
クチャ
アイヌの人たちは漁撈や狩猟、採集の際、「クチャ」と呼ばれる仮小屋を作り寝泊まりをしていた。主に冬の狩猟に使用されるクチャは、冬でも葉の落ちないトドマツやエゾマツを利用して作られ、「フプチャチセ」(プは小文字の発音:hup-cha-chise)は、「フプ=生もの=松、チャ=柴、チセ=家」と呼ばれる。アイヌの人たちの生活に欠かせない木だったためか、北海道にはフップシ岳などトドマツにちなんだアイヌ語の地名が多く存在する。 エゾシカとの関わり
一般にシカ類は蹄の面積が小さい事から、積雪に弱い動物であるとされている。
積雪期間が長引くとエゾシカの体力は消耗し、雪面に僅かに表出する笹などの食べ物は食い尽くされ、木の表皮を食い出し、やがて体力の落ちたエゾシカは餓死してしまう。
エゾシカは積雪が少ないトドマツ林内、根元を寝床にし、林内を餌を求めて移動するといった、鹿の流れが森の風景から読み取れる。
香り
トドマツの香りには「森の香り」とも呼ばれる酢酸ボルニル(Bornyl Acetate/ C_12-H_20-O_2/196.29 g/mol)を多く含んでおり、リラックス効果、血圧安定効果、気管支に良いとされている。十勝でもトドマツの精油を製造、販売を行っている企業があり、持続可能な利活用の実践が進んでいる。
https://scrapbox.io/files/64a664fc6d5269001b3fa8db.jpeg
クチャ
Traveling Forest Project でのクチャ作りの記事
https://vimeo.com/797545437