『平等とは何か-運、格差、能力主義を問いなおす (中公新書 2846)』
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(著) 田中将人
ISBN:4121028465
かつて一億総中流といわれた日本。
いまや格差が広がり、社会の分断も進んでいる。
人生が親ガチャ・運しだいでよいのか。
能力主義は正しいか。
そもそも不平等の何がわるいのか。
日本の「失われた30年」を振り返り、政治哲学と思想史の知見から世界を覆う不平等に切り込み、経済・政治・評価上の平等を問いなおす。
支配・抑圧のない、自尊を下支えする社会へ。
財産が公平にいきわたるデモクラシーの構想を示す。
■目次
はじめに
第1章 不平等の何がわるいのか?
本書の特徴  前口上――なぜ平等・不平等を考えるのか  不平等から考える――不平等に反対する四つの理由  ①剥奪――貧窮ゆえの苦しみ  ②スティグマ化――傲りと卑屈、そして差別  ③不公平なゲーム――人生の難易度の変化  ④支配――非対称的な関係の固定化  みえやすい不平等・みえにくい不平等  窮民問題――貧困にあえぐ社会  寡頭制問題――少数が牛耳る社会  健康格差問題――寿命が短い社会
第2章 平等とは何であるべきか?
平等を支持する四つの理由  ①生存・生活の保障――充分主義  ②恵まれない立場への優先的な配慮――優先主義  ③影響の中立化――運の平等主義  ④支配関係がないこと――関係の平等主義  平等の要点――「局所的な平等化」をこえて  三つの不平等の区別――差別・格差・差異  格差原理と(不)平等  差異ゆえに平等
第3章 平等と能力主義
アファーマティブ・アクション  AA――五段階の規範  正義と能力主義  公正な能力主義はゴールか?  能力の測定問題とガラスの天井問題  能力主義の専制  正義と功績をいったん切り離す  機会の平等を見直す――スキャンロンの三段階モデル  まとめ――財産所有のデモクラシーへ
第4章 経済上の平等――社会的なもの
『21世紀の資本』のインパクト――r>g  『資本とイデオロギー』――格差はつくられたものである  アンダークラスの出現  財産所有のデモクラシー①――社会的なもの  日本型福祉社会の問題  事前分配・当初分配  人的資本のストック  職場環境の正義  ベーシック・インカム  タックス・ジャスティス
第5章 政治上の平等――共和主義
誰が統治するのか――政治家のキャリアパス  なぜ世襲政治家は多いのか  経済力の政治力への転化  徒党の発生をいかに防ぐか  財産所有のデモクラシー②――共和主義  政治資金規制とメディア宣伝  パブリック・シングス――公共性のインフラ  公共財としての仲介機関――政党とメディア  政治バウチャー  クオータ制  ロトクラシー――くじ引き民主制
第6章 評価上の平等――複数性
絶望死、遺伝と能力  時間どろぼう――エンデ『モモ』  財産所有のデモクラシー③――複数性  自尊の社会――配達員の仮想演説  評価集団の多元化――複合的平等  正義と多元性  財産と富  〈自分自身〉であるためのデモクラシー  「自己の内なる体制」
おわりに――平等についての六つのテーゼ
あとがき
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