制作案件とお金
https://baku89.com/フィーのこと
クライアントへの見積もりを作業チームにも開示するプロデューサーの方はほとんど居ない
けど、そういう習慣があってもいいよねと思う
新卒(大手広告代理店の営業)1年目のとき、外注先の制作チームにクライアントからの発注金額を明かしてしまってめちゃくちゃ怒られたことを思い出した
その時に言われたことの記憶
日本のビジネスの慣習として、そういうことは言わないものである
たとえば広告代理店では、進行管理費として全体の1割〜2割程度のフィーを確保し、それ以外の部分は制作実費という体裁をとる
例:進行管理20,000円、チラシ印刷費 100,000円
ただし実費は案件を進める中で変わりうる。突然の出費もありえるし、何かのミスで追加発注が必要になることもある
基本は 「常識的にプロジェクトを進める中で、何が起きてもこちらが損をしない金額」 で設定する
例:チラシ印刷費が80,000円くらいで収まることを知っていたとしても、紙の値段が上がったり、プロジェクトの過程でもうすこし良いクオリティの印刷会社に発注することが必要になる可能性も考慮して、100,000円で設定しておく
最終的にはそれらの残った金額がこちらの儲けに加算されるので、 常識的な範囲でバッファをできるだけ大きく持ちつつ、そのバッファを消化しないようにプロジェクトを完璧に進めるのが、代理店営業の腕の見せどころである
そもそも広告業界に限らずどこの業界でもそう
例:家具をつくる会社が木の仕入れ原価をわざわざクライアントに伝えたりしないし、木の会社にいくらで発注もらってるとか家具をいくらで売るつもりであるとかわざわざ伝えたりしない
そういう中でいきなりルール違反の情報が来ると面食らってしまう
関係性がしっかりある相手と戦略的に腹割って話すこともあるはあるが、新卒1年目がやることではない
舐められてるのか?と思ってしまう相手もいるかもしれない
(コンテクストゲームすぎてだるいっすね)→そういうもんだよ、日本のどの産業も
ただし広告業界においては、外資系の広告代理店、社内の外資合弁チームでは見積もりの出し方が違う
外資系の代理店では、クライアントにもよるが、 すべての外注見積もりをクライアントに提出する必要があるとこもある
その分、日本の見積もりでいう進行管理費的な制作フィーをしっかり取る(30〜40%とか)、そういう透明性がある
(制作側にも受注金額を見せてるのか、フィーを何%でとってるか伝えてるのかは知らない)
商習慣の違いなのでどっちがいいとか悪いとかではない
余談
日本の商習慣ゆえ、コンテクストの理解が仕事できるできない判断と直結しがち
プロジェクトマネジメントの要諦
コンテクストが共有できてない間柄(発注側と受注側)でゼロサムゲームの関係になると、自分たち側を過大評価/相手のことを過小評価しがち(そもそもそういうゲーム)
新しい人たちと仕事をするときは、このへんの前提条件というかコンテクストが共有できてないとお金のことでモメやすい
これもひとつの見方でしかないのでsanokazuya0306.iconもこのやり方が全てだとは思っていない
「お互いのコンテクストを共有しなければならない」という前提で仕事を進めたいものである