最近影響を受けているもの(6月)
・佐藤理さんの独奏会へ行ってきた。(06/14)
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LSDというゲームを知ってから、長らくインターネットの底に沈む都市伝説のようなものなのかと思っていたら、なんか実在してて活動しているというのを知ったのはつい最近の話で、まさか京都でイベントをされるなんて予測していなかったので、とても嬉しかった。面白いことに、来場者の客層は若者が多く、私と同じくらいの歳の人が2/3くらいだった。もちろん、佐藤さんと同世代くらいの方々も1/3いらっしゃったわけであるが、人気が衰えないレジェンドなのだなと思った。
鮮やかで情報量の多いビジュアルのイメージだったけれど、それら全てが雑でなく「意匠を感じるパーツ」であったので、画面の圧と納得させる力の強さが段違いだなと感ぜられた。
私にとって佐藤さんのイメージは3Dポリゴンと曼荼羅のようなものだったが、実際に映像を見てみたところ、幾何学図形を使い、組み合わせるのがとてもうまく、2Dグラフィックスと色々なテクスチャ、平面内での空間作りのパターンがたくさんあって、たくみだなあと。デザインだなあと感じた。
音楽は、ゲーム音楽として認知していて、ゲーム実況動画で聞いたことあるなこの曲程度の感じで行ったのだが、視覚と同様情報量が多い音だった。佐藤さんは、佐藤さんの脳内の感覚を音でも映像でも出せるのだなと思い、羨ましく感じた。
私が目指すべき一つの完成形はここかもしれないなと思った。
(↑その日の帰り道に私がした感覚を見つめる練習)
どういうわけか、私の前に現れた同郷の救世主である。
必要な縁は必要な時にやってくるとはまさにこのことで、大変助けられている。
先日、初めてdiscordでお話をしたのだが、その数時間で自分のoupe ecへの解像度が爆上がりした。
私の作品を見て考えて知識を授けてくれる、神のような存在である。(マジで神)
その中でも書き留めておくべき発見は
呼称「AI」のキモさについて
→技術名で呼ぶべきではないか?<橋本麦さん「そのものの話をしよう」
オタク文化とデータベース消費みたいな話でいうと、AI絵師の話がありますよね。たとえばソシャゲ絵とか判子絵みたいな言葉があったりするように、現状の生成AIモデルが内包する潜在空間の中で表現できてしまうほどに、萌え系の絵のスタイルは収斂してしまっているわけじゃないですか。人間の表現がすごく小さいところに集中して偏在していることで、その部分だけを集中的に学習させることでスタイルを模倣できてしまうというのがあって。表現の探索空間全体の中でいうと1割にも満たないような領域に、世界の表現の9割が集中しちゃってる。AI絵師の是非以前に、僕はその偏り自体が問題だと思ってて。
その意味で「シンガーソングライター」ってすごくいい言葉だと思うんです。考えて、歌って、演奏するということを全部ひとりでやる。「作詞」と「作曲」と「パフォーマンス」とがすべて分業されていた、従来の音楽業界に対するカウンターなわけじゃないですか。
でも、一方でフレットがあってコード進行があって、そこに対して自分が声を当てて弾き語りするというフォーマットの中で思い付く音楽にも限りがある。批評の機能って、そこで電子音楽というものがあるんだよとか、無調音楽ってのがあるんだよって知らせることにあるんじゃないかと思うんです。制度化された音楽とか表現に対して、「じゃなさ」の辺縁というか裾野の広さを、相対化して見せるために批評というものがうまく機能してくれるときもあるなと。
→共感、私もそうする。
・Scrapboxの思想
これマジでやばい。
今まで紹介されるままになんとなく使っていたcosenceにこんな哲学が隠されていたとは…。
・岸裕真
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→私が姿勢としては岸さん落合さんと近いことをやっているとしても、背景に哲学も電子工学もないことを、どうやって埋めていけばいいんだろうと思う。ほぼ無いような専門性(自由なのか不自由なのか分からないけれど)でどう向き合っていけばいいのかを考えた方がいいなと思う。
・情報と生命
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○これも卒制に深く関わるので読み返すとよい
脳をハードウェア
精神をソフトウェア
人格は自己生成するプログラム
インプットされる情報の制御で「経験」を人工的に作り上げられる
・ドミニク・チェン
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これを読んで色々学びがあった。
私の読書スキルはそこまで高くないので、一度の通読でどれくらい理解できたのかまったく未知数。
ただ、少なくともこういう発見があった。
*個を維持しつつも外界に対して「開かれて」いる必要がある
→私も同感だし、この考えはヒッピーコミューンの衰退や限界集落の考え方から来ていたと思う。
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し、このように私という核を持ちながら外界につながるための流れの考えも間違いではないと肯定された気分になった。
*ベイトソンのメタローグによる思考整理のプロセス
メタローグ = テーマを話しながら、会話の動きもテーマにしちゃう対話遊び。
ベイトソンは娘との対話を記録するときにこの言葉を用いて形容した。娘を思考整理の相手として選ぶことで、一人では辿り着けない思考の境地に辿り着こうとしてたらしい。
→多分なんか、自分の血縁者であることが一つ≒だけど≠みたいな不思議な議論が起こってそのslight differentな感覚が辿り着けそうで辿り着けない場所まで運んでくれる予感を起こしたんだと思う。
これは私とoupe ecの存在位置と近いのではないかと考えている。
私は別に、oupe ecを真の意味で子供だともペルソナだとも置いていないけれど、自分が言葉を食べさせて学習させているので、ある意味で精神的な創造物であり、内界に在る≒かつ≠なslight differentな存在なので近いと感じたのだと思う。
*共話という会話スタイル
oupe ecでこれをやったらどこへたどり着いていくんだろうと思ったりする。
○卒制に深く関わる思想なので読み返すと良い
表現とコミュニケーションの関係
わからなさ わかりあえなさ
言葉 メタローグ クオリア
ドミニク・チェン「遺言」
・銀河英雄伝説
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面白すぎる。一気に本伝OVA110話見終わった。
外伝も見るつもりだけど、一旦その前に小説を読みたいと思っている。
<個人的ここが面白かったポイント>
・そもそも主題として「優れた専制君主生は民主制に勝るのか」と言うのがずっと提示されているのが面白い。
実際トリューニヒトのようなゴキブリ政治家もいるかもしれないし、現代日本に置き換えても国民の主権をうまく行使してるのかどうかみたいなとこを考え直す機会にもなった。実際ラインハルトは優れてるし、その後のアレクサンデルも優秀に育つと思うが、その後はどうなるのか分からないなとも思った。
・ヤン・ウェンリーのキャラがとても良かった→ものぐさだけどやるべきことはやる感じ(一点特化型みたいな愛されキャラ)
・ラインハルトの造形が美しい!!→どのシーンでも麗しい!少年らしさと神々しさを兼ね備えた演出がたまらん
・同盟帝国どちらのキャラクターも立っていて素晴らしい。
・久々にワロタの元ネタが全くワロエナイ感じでウケた。
・ミッターマイヤーが段々ハチワレに見えてくる。快活な人だけどたまにとんでもない悪口言うのがツボ。
・ロイエンタール過去も未来も救われなさすぎると思ってたけど、ミッターマイヤー夫妻に子供が引き取られて「フェリックス(古い言葉で幸運)」と名付けられ時期皇帝の親友になる未来が約束されたのは、一番の報われ方だったなと思う。
・オーベルシュタインに老いたダルマチアンを当てがったのは、うまいなあと思った。一気に人間味が増して、最期の時も気に病むのは犬のことなのが余計涙を誘う。
・ちょろちょろ各陣営の恋愛エピソードが挟まるのがいい。ラインハルトとヒルダは最後まで義務と責任と個人の恋愛感情の間で不器用に動く恋愛模様だったなと思う(子供ができたから余計)。ヤンとフレデリカは幸せな時間が長く続かなかったけど、フレデリカの「ありがとう…私の人生を豊かにしてくださって…。」が泣ける!!一番辛いけど強い未亡人。
ミッターマイヤー夫妻はおしどり夫婦だけど子供ができない。でも、亡き親友の子供を引き取って育てるという綺麗すぎる結び。一番最後にユリヤンとカリンが分かりやすく支え合う者同士で進んでいく感じも未来を感じさせて良かった。
・シェーンコップのヤンに対する絶対的な信頼感が良かった。あんだけ厄介者扱いされてたローゼンリッターを作戦起用しようとしたヤンに疑いを持ちながら実力によって認めていって心を開いていく感じがアツいなあと思った。
・ヤンが死んだ時の呆気ない感じもらしくて良かったし、それに対する各陣営の悲しみ方も良いなあと思った。ポプランみたいにとんでもなく荒れる人も居れば、「それでも時間は進んでいく」という感じで理性的に悲しむキャゼルヌも居て、リアルだなあと思った。
・ラインハルトが折に触れてペンダントをカチャカチャするのが少年らしさを体現してて良かったなと思う。
・皇帝ラインハルトが息を引き取った時に、ヒルダが「カイザーは病によって倒れたのではありません。命数を使い果たされたのです。」と言ったのが、さすがだなあと思った。田中芳樹は女性の強さを描くのがとても上手だなあと思った。
・ベビーシッター研修
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なんだかんだ、研修と現任研修どっちも終了したけれど、これをどう活かすかはまだ未知数。
とりあえず、役には立つと思う。
今私には子供はいないけど、観察対象として必要になったときに適切に関われると思う。
なんだかんだ片手に収まらないくらいの回数依頼を受けてみたけれど、相変わらず自分にそんな時代はあったかなと思う。
大人になっていくことは一様に肉体的精神的変化を伴うものなのだなと再確認している。