最近影響を受けているもの(5月)
・紙の民
https://scrapbox.io/files/683be001941d8708b33919ce.png
マジックリアリズムが好きと一口に言うのには多少の抵抗がまだあるけれど、
ラテンアメリカ系の文学の文化的特徴である、人間的な生々しさ(荒々しく、汗と血が湿って浮かぶような)と信仰が入り混じった日常の中の非日常の体現のような世界観が一様にあるので、かなり自分にはfitする感じがする。
野蛮な描写が好きな訳ではないし、映画の暴力シーンやたまにあるインターネットのスナッフビデオ、虐殺や拷問の動画なんかは脳がピリピリしてしまうくらいには敏感なので、あまり目にはしたくない。
けれど、単純な暴力ではなくて、何か別要素があるとみれる。
ラテンアメリカ系だとインディオの話とか、アステカの神々の話とか、そう言うのが絡んで生とか死に向き合う描写が面白い。
・qubibi
https://scrapbox.io/files/683be181fae0414e159b7e2b.png
感覚と情報を遊びながら表現する彼の作品が好きだと、やっと言語化できた今日この頃。
映像作家100かなんかで(多分違うけど書籍で最初は知った)彼のIndiaを知ってから、
別に深掘ってはいないけれど、この人いいなあと思っていた。
でも、最近自分が卒業制作を進める上で、参考にする作品を上ているときに浮かんだので、改めてどこが好きなんだろうなあと考えて、言葉にできたのが良かった。まあ、私じゃなくてChatGPTの表現だけど。
・東京、マシーンラブ、比較、Cao feiと今回の展示について
マシーンラブ、ありえんつまんなかった。絶対行かなきゃと思って東京行ったまであるのに。
なんでこんな風に感じたのか少し考えてみる。
🧐<展示全体について
(以下友人に送ったメッセージより抜粋)
展示構成自体の風通しが悪い。
マシーンラブという割にロジックに寄ってて面白くなかったなと思った。
ディベート型のAIのやつの思想も、柔軟な感じじゃなくて「私には実態がある」「実社会に存在している」という前提でしか会話が成立しない、機械なのに精神障害持ちみたいな感じでイライラした(個人の感想)
🧐<私が一番展示を通して考えたこと
https://scrapbox.io/files/684fda5b90fbd67512bb3712.png
(佐藤遼太郎:《ヒューマン・ワン》)
なんで、入って最初の方にあった佐藤瞭太郎の作品にあんなに嫌悪感を抱いたんだろうとずっとモヤモヤしていた。
一見ミームのような映像に仕上がっていて、笑える感じに作られてはいるが、私は笑えなかった。
作品を鑑賞しながら、頭にずっとCao FeiのRMB Cityが浮かんで、でもその対比から何に違和感を抱いているのかがずっとわからずモヤモヤしていた。
これについてとてもいい答えが、対話の中で生まれた。
結論、私の違和感、嫌悪感はキャラクターアセットへの愛のなさだと思った。
自分は、MMDやゲームなどで「キャラクター先行」の作品を好むから、こういう有象無象のように、
「こういう感じのアバターがここにいれば作品としてOK」のような感じが大変気に食わなかった。
それこそ、広告的に消費される表象のアバターのような感じがして、すごく嫌だった。
私が住んでいたマニアックで愛に溢れたインターネットやサブカルチャーは、メタ世界でそう成り変わるとは思えないし、納得できない。実際VRChatでは、もっとアバターにお金をかけたり、キモあったかい文化があるはずだ。
https://scrapbox.io/files/684fdac2d6346cdab87a5d5d.png
(Cao Fei:China Tracy Live in RMB City)
RMB Cityはその点、作り込まれている(アバターに限らず架空の中国を作っているわけだし)ので、多少めちゃくちゃやっても愛を感じる作品だった。
奇妙に流暢な日本語と、何故かバーチャルの世界での出産、存在性について展開されるストーリー。
ただただ哲学的というわけじゃなく、どこかシュールでツボを抑えている言い回しなど、同じ仮想の世界から作られた作品でも、後者の方が好みだ。
ではどうしてめちゃめちゃに作り込まれているルー・ヤンの作品にも入り込めなかったのだろうか。
https://scrapbox.io/files/684fdbe97cd333766be5f62c.png
(ルー・ヤン(陸揚):《独生独死̶自我》)
単純に私と作品の相性が悪かったのもあると思うが、本人の思想と噛み合わない部分があると、その先見るのが辛い作品だったように感じた。この作品のアバターに関しては、制作費がいくらかかっているんだろうと思うくらい高クオリティなキャラクターとコスチュームの数々を見るのは楽しかった。ただ、ルー・ヤンそのものが強すぎて、初見だと戸惑う。
私がoupe ecをそのまま内省の果てとして紹介する時に、どこまで自分そのものを出すのか初めて考え直そうと思わせた作品でもあった。思想の匂わせ方の具合が直接的すぎて下品に感じた可能性もある。
今3作品を比較してみて、
ある程度何かで思想をコーティングしないと私は嫌なのかもしれないと思った。ミームすぎても説法的すぎても私のスタイルじゃない気がする。うまい塩梅を考えたいものである。
・東京でVJやってる人
https://scrapbox.io/files/684fdf19b19d8e17e08c01fa.png
(↑Daisuke KakizakiさんのHP)
IAMASの話をJackson Kakiさんに聞きに行こうというのが一つ、GWの東京訪問で大切なことだった。
どうやら、ちょうどその時にVJイベントをするというお話だったので、お邪魔させていただいた。
そして、そのイベントには、かねてよりIGでは繋がっていたけれども実際に会ったことのない「好きな作品」を作る人も参加するようだったので、お話させてもらうことにした。
Daisukeさんと話をして、とても面白い考え方を手に入れた。
私が彼に、「VJってどうやっても脇役だから、なんかやりごたえないんですよねえ」という話をした時に
「僕は、気持ち悪い映像を強制的に見せられる素晴らしい機会だと思っていますよ」とおっしゃってて、aha!!
その考え方があったか〜!
彼のスタイルを鑑みてもとても説得力があるし、私も「キモ良い」シュールなものが好きなので、プチ革命が起こった。
東京から帰った後に運よくVJをさせていただく機会があったが、その教えを活かせたと思う。
https://scrapbox.io/files/684fe3a9d6346cdab87ad49f.png
(↑私の京都帰還後のVJ)
・ヒルマ=アフ=クリント展
https://scrapbox.io/files/68501a4be048e70228fa6652.png
(Hilma af Klint: The Ten Largest, No.1, Childhood)
すごく良かった。展示自体は、GWだったのもあって人が多くてしんどかったけど(でもすごく広かった。かなり大ボリュームの展示とお見受けした)、行って良かったなと思った。
友人が
「きっとヒルマの作品は匿名性のある民俗資料と言い切った方が伝わると思う、Great Painter!みたいな扱いは本人も目指すところではないはず」
という意見を出してくれたのがすごく印象的で、確かにと納得した。
彼女は知的好奇心と精神世界の探究への強い意欲があって、こういう作品形態になっていったんだろうなというのがよくわかる構成の展示だったと思う。
この情報過多の時代に「抽象」を神秘的な形で表現した作家をピックアップするのは、なかなかやるなあと思った。
ヒルマ・アフ・クリントは神秘主義者で、その時代に神智学協会に所属していたらしい(1904–1915年ごろ)。
しかもあのシュタイナー教育でお馴染み、ルドルフ・シュタイナーとも関わりがあったようで、ヒルマの作品にも影響を与えていたらしい。
私は偏りきれない人間なので、バリバリ感じることがメインの神秘主義者にはなれない。かといってゴリゴリに理論武装で、観測できないことは無いことだとするのも納得がいかない。
その中間で、少し変わってるけど、霊的世界を科学しようとしたシュタイナーには「うまい!」と感心する部分がある。
感覚と理論の往復で、「偏れない」感覚から「両刀使い」の感覚へと変えて行けたらいいな。
・5/22松武秀樹さんのシンセサイザー教室+山口美央子さんミニライブ
https://scrapbox.io/files/68501b24491c9718362ec84b.jpg
<感想>
シンセサイザーをずっとデジタルで触ってきた(DTMしかできない)ので、初心に返って(というほどマスターしてないけれど)アナログでの体験をしに行ってきた。といっても、YAMAHAのreface-CSを使っての体験だったけれど。
バイト終わりに五条から真夏日の下チャリを爆走して上七軒の藝泉へ。
なんとかギリギリ滑り込んで、体験の整理券をゲット。
しばらく自分のお尻の汗と向き合いながら時間を待って、いざ開室。見ず知らずの明るい女性とのキーボードシェア。
一つひとつOSCとかLFO、EGの説明なんかを一通りしていただいて、最後に発表として「猫の鳴き声」を作る体験をした。
「音を作る技術」としてのシンセサイザーは、とても面白いなと思う。
詰まるところ、図形の音楽で、色々なパターンの組み合わせで無限大の表現、再現ができるという不思議な技術。
それを知覚する人間の脳みそはもっと不思議である。
早速今日少しいじってみよう。
ちなみに、別段私はYMOのファンというわけではないし、どちらかというと冨田勲さんから松武さんへたどり着いたタチだったので、失礼ながら、師匠に当たる冨田さんのお話を終わりがけに聞いてきた。
おっかない人だったらしい。
別段殴るとか、理不尽な扱いをされるだとか、そういう話ではなく、
特に何も教えてくれなかったんだとか。
「僕の真似してどうするの」という感じだったと。
でも、YMOでの音源を持って行った時に「君の音を見つけたね。」と言ってくれたらしい。
胸熱〜!!
あとはボーカロイドについて聞いてみた。
あんまり詳しいことは覚えてないけど(都合のいいとこしか覚えてない)、技術として前向きに捉えていそうだった。
フォルマント合成の話や、AI活用の話で、どんどんと進化していくという話はしていた。
一方で、権利の所在についてもお話しされていて、元の声があってなんやかんや捏ねて出どころのわからない状態でヒットしてしまったら、誰にその声の権利があるのかとかそういう話をしていた。
まあ一方で、初音ミクとかはそういうとこフリーだし、本当に一から電子音で作ってる足立レイとかは大丈夫なんじゃねと私は理解した。
別に音楽一本で食っていこうという人間ではないけれど、もっと深く触れたいなと思った日だった。
・余談
ココナッツと業務用ドライフルーツについて
5月の私はココナッツに狂っていた。正確に言えば、ココナッツミルクに狂っていた。
中国物産店があれば入って缶のよく見るアレを買っていたし
https://scrapbox.io/files/68501c00d3d5667a316e88b3.png
(↑アレ)
なぜか元田中らへんのFRESCOにだけ売ってるbua-roiみたいなココナッツミルクにタピオカ入ってるやつもよく買ってた。
https://scrapbox.io/files/68501c75e0c78aa1f42f452f.png
(↑コレ)
ちなみに東京に行った時に食べたココナッツアイスがとても美味かったので共有しておく(麻布十番にある)
…なんや、大阪にもあるやんけ!!!
気温が私にそうさせたのかもしれない。蒸し暑くなくて、朝晩は冷えるけど日中はそれなりの気温、みたいな。
少しアジアを感じたい気持ちがあったのかもしれない。
長らくタイには帰っていないし、一昨年はベトナムへ行ったけど、国外にはここ最近出ていない。
移動していないとストレスが溜まってくる。でも、次に海外へ行く時には専門性を持っていきたいんだ。
それが叶うように頑張りたい。
ちなみに、ドライフルーツだが、メルカリとかヤフオクとか、ラクマとかで売れた売り上げをそのまま購入代金に充てている。
なんだか冷蔵庫が潤うので、楽しい。
実際料理にもかなり豊かさが加わる。レーズンと黒糖、バナナ、ナッツのミックスなんかとニンジンとからし、マヨのサラダは絶品だった。普通にパン焼いてもいいし(炊飯器だが)、ナッツミックスで中国風の炒め物を作っても良い。
クランベリーを500g買って冷蔵庫に入れておくだけでかなりヨーグルトが食べたくなるし、モッツァレラチーズや生ハムも買いたくなる。売り上げ代金外でサンザシのスティックを買ったが、あれもなかなかどうして美味しかった。
今ではもう冷蔵庫はすっからかんだが、私の使わないものが栄養に変わるのだから、とても素敵なことだと思う。