settings
【案内】
少年の犬走らすや夏の月
夕餉あと尚明るくて蚊喰鳥
蝶墜ちて大音響の氷結期
薄氷をひらりと飛んで不登校
寒月光電柱伝ひ地に流る
投錨す二万六千トンに月
立つ鴫を言吃りして見送りぬ
唐黍に月鳴り止まず冷まじや
馬方の馬にものいふ夜寒かな
きりぎりす夕日地を射ることもなし
蓑虫にうすうす目鼻ありにけり
蓑虫のあたたまりゐる夕日かな
曼珠沙華二本づつ立ち雨の中
春光に触れなんとして乗り換えす
朝夕がどかとよろしき残暑かな
秋晴の彼も一人や深大寺
大阪のある道の果秋日落つ
赤蜻蛉分けて農夫の胸進む