うずまき
サブカルチャー批評の文脈でよく名前を見るような気がする伊藤潤二先生の名作ホラー漫画。普段漫画はほとんど読まないけど、流石にちょっとぐらい読んでおかないといろんなところに支障が出る気がしたので読んでみた。この作品は黒渦町という架空の村を舞台にして、原因不明のまま、渦巻きが依存症を起こしたり、逆に渦巻きの形状に対する不可解なまでの恐怖症を植え付けたり、人間を飲み込んだり、ありとあらゆる形で災厄を起こしていく様が20章近く描かれているのだけれど、最後は二人の間の恋が村を救うこととなる。莫言の小説を彷彿とさせるようなグロテスクなマジックリアリズムを使ってこの世の残酷さを読者に連想させた上で、それに対するヒューマニズム的な回答が用意されているという仕掛けは、現代的な視点と結びつけて、 - 現代社会が生み出している孤独
- 炎上をうみだすSNS社会
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などのテーマ性が浮かび上がってきそう。
ちなみに佐藤優先生は後書の解説で渦巻きを「資本」の寓意として捉えて、日本の社会、経済と結びつけるような形で書かれていた。 人間の奥底に無意識ながらどこかに抱えているあらゆるvicious cycleへの恐怖に対して表象をあたえた感性と創造性は筆舌に尽くしがたいものではないでしょうか。