TipsB01:WSL Ubuntuのパスワード変更
◆はじめに
UbuntuでもMacOSでも,ターミナル( シェル )起動時には通常,ログインの手順なしでプロンプトが表示される.これは最初に設定したID(アカウント)で自動ログインするようになっているからだ.
このように普段はパスワードを気にしなくていいので,つい忘れてしまうかもしれない.そして,sudo を使ったコマンド実行時にパスワードを聞かれて始めて,「あれ?なんだっけ?」となるかもしれない.パスワードがうまく通らないとき,まずは以下をチェックしよう.
a. 大文字/小文字の区別
b. かなキーがはいっていないか
c. 日本語変換がONになっていないか
※これらはMacでも同じ
それでも通らない/分からない場合,パスワードを変更するしかない.
パスワード変えたい!でも前のパスワードがわからない!
というあなたに.対応策を授けよう.Macユーザは以下を参照.
※Macの場合※
以下を参照.
以下,Ubuntuの場合.
◆パスワード再設定の2つの方法
パスワードを再設定する方法は2通りある.
1. Ubuntuをアンインストールして,再度インストールし,ユーザとパスワードを新規に登録しなおす
2. Ubuntuをrootでログインし,パスワードを書き換える
◎解説◎1.の方法
これはシンプル.しかし当然,それまでインストールしたコマンドや,設定したファイル,作成したデータは上書きリセットされる.
なので作業前にデータや環境設定などのバックアップが必要となる.
ただし,インストールした直後であればその手間は最小限で済む.つまり,使い込むほど再インストールは手間がかかる.
再インストールの手順を以下に示す.
1. Windowsの設定 > アプリ > インストールされているアプリ > Ubuntu を探す
2. Ubuntuの右側の…メニューから「アンインストール」を選択
https://gyazo.com/5b84533a5a87a8d6362a217a8619cf6e
3. 再度,Ubuntuにインストール作業を行い,ユーザとパスワードを設定し直す.参照 ↓↓
◎解説◎2.の方法
これは,root というユーザになって作業する.root は「スーパーユーザ」と呼ばれ,システムのすべてを操作できる権限を持つ.つまりそのシステムの「神様」である.スーパーユーザは何でもできちゃうので,システムを壊すのも簡単.
※ある悲劇※かつて,研究室のワークステーションで,rootになってrm -rf /dev とやってしまい,起動すらできなくなった学生さんが……研究室全員が泣いた……
rootになったらあなたはシステム管理者=神様.すべての作業は慎重にやらないとだめ.以下に手順を示す.
★以下は全てWindows PowerShellで操作を行う.
1. PowerShell( Windowsのコマンドシェル )を「管理者」で起動する
Win + X > 「ターミナル(管理者)(A)」を選ぶ > ターミナルが起動
または「Windows PowerShell(管理者)(A)」
2. プロンプトで,wsl whoami と入力 → 自分のユーザIDが返ってくる → これをメモっておく
※ユーザ名がわかっている人も念のため実行しておく
3. wsl -u root passwd メモしたユーザID と入力する
4. 新しいパスワードを2回入力する.
→ "password updated successfully" の表示が出ればOK.
※パスワード入力時,文字は表示されない( よくある"*印"もでない )
※パスワードは思い出しやすいものを!
5. プロンプトで,wsl と入力する. → 同じ画面でUbuntuのシェルが起動する.
6. Ubuntuのプロンプトで,sudo ls / など,sudoコマンドを使う.
→ 新しいパスワードを入力して実行できればOK.
7. exit でUbuntu終了. → PowerShellプロンプトに戻る
8. さらに exit でPowerShell終了.
★以上の手続きを行った例の画像(ユーザはfujii)は ↓↓ の通り.
https://gyazo.com/343fc7e081a9c42f3d1d05cc18a7c006
◆付録:初期ユーザ登録から始める
パスワード以前に,ユーザ登録がうまくできていない場合.
この場合は最も初期のユーザつまり,root としてUbuntuにログインしてしまう.
rootのまま使い続けるのはいろんな意味でよくない. → 理由は調べなさい
ユーザは少なくとも1つは必ず登録する.
今あなたは,root なので, adduser コマンドを使えば新規にユーザ登録可能( 下にて補足 )だが,自動ログインはしてくれない(別の設定が必要).
最初のユーザ登録がうまくいっていないのであれば,その段階からやり直すほうがよいだろう.そのための手順を示す.
1. Ubuntuターミナルを終了する
2. PowerShellターミナルを「管理者」で起動する
※WSL Ubuntuインストールの時と同じ要領
3. プロンプトで,wsl --unregister Ubuntuと入力
→ 実行後はPowerShellターミナルを閉じてよい.
4. 改めてUbuntuを起動する.
→ ユーザ登録のステップから始まる
→ ユーザ名(小文字)とパスワードを登録する
※補足※ rootでユーザ追加する方法
一人でUbuntuを使う場合はほぼ不要だが,上のように初期ユーザではなくrootでログインしてしまう場合に,adduser コマンドを使う方法がある.これはこれでそこそこ複雑だが,以下,説明しておく.※初級者にはあまりお勧めしない.
1. Ubuntuターミナルで,以下のコマンドで新規ユーザを登録する.
$ adduser ユーザ名(小文字のみ)▼
2. ユーザ登録しただけでは "sudo" コマンドが使えないので,sudoにユーザ名を登録する.
$ usermod -G sudo ユーザ名▼
3. Ubuntu起動時のデフォルトユーザを新規ユーザに指定する.
※これはUbuntuではなく,Windows上での作業となる.
Win + R で入力窓を開く
Ubuntu config --default-user ユーザ名
と入力し,実行.
→ これで次回Ubuntu起動時に新規ユーザで開始できる.
以上.
2025/5/20