付録:SI単位系
■度量衡の国際単位:SI単位系
物理定数に関連する,SI単位系について簡単に紹介する.
物理・計測の世界では,国際基準であるSI単位系に準拠して単位を扱う.
参照:SI基本単位 - Wikipedia ()
国際単位系(SI)とは:NMIJ
SI文書原本:SI Brochure - BIPM
〃日本語訳:SI文書:NMIJ
2018年,第26回国際度量衡総会にて,重要な単位であるkg, A, K, molが再定義された(キログラム原器の廃止等).それにともない,国際単位系の定義(SI国際文書)も改められているので注意したい.(現在第9版)
参照:SI基本単位の再定義 (2019年) - Wikipedia ()
例:kg(キログラム)の定義
キログラム (kg) は質量の単位である。その大きさは、単位 $ J\cdot s ($ \rm kg\cdot m^2\cdot s^{−1} に等しい) による表現で、プランク定数 h の数値を $ 6.62607015 \times 10^{−34} と定めることによって設定される。ここで、メートルと秒は$ c と \Deltaν_{C_s} を用いて定義されたものである。
※$ \Deltaν_{C_s}とはセシウム133原子の超微細構造の周波数のことで,値は
$ 9,192,631,770\ \rm Hz \simeq 9.19\ GHz
■物理量と単位の表記方法
レポート・論文において,数値,物理量とそれを表す記号,単位は統一的に表記されるべきである.以下,産業技術総合研究所 計量標準総合センターのコンテンツより引用する(一部改編).
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SI における単位の記述規則は、SI文書の5章に記述されています。
また詳細な規則は国際規格 ISO 80000 や、日本産業規格 JIS Z 8000[量及び単位]に規定されています。 代表的なものを下記に示します。
数値・数字は直立体で記述する。
量の 記号は斜体(イタリック体)で、 単位記号は直立体で記述する。
(例: g = 9.806 65$ \rm m/s^2)
数値と単位記号の間には半角スペースを挿入する。
単位記号の 積は半角スペースもしくは中黒(·)で表す。
(例: N m、N·m)
単位記号の 商は、水平の線(分数)、斜線または負の指数で表す。
(例: m/s、$ \rm m\ s^{−1})
接頭語の記号は直立体とし、単位記号との間に 間隙を置かずに表記する。
接頭語は1つだけを用い、 μμF や mmm 、 nkg のように2つ以上重ねてはならない。
接頭語付きの単位に指数が付されているときは、その指数は母体となる単位と接頭語の 両方に累乗が掛かる。
(例:$ \rm 1\ cm^3 = (10^{−2}\ m)^3 = 10^{−6}\ m^3、 $ \rm 1\ \mu s^{−1} = (10^{−6}\ s)^{−1} = 10^6\ s^{−1})
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以上.
2025/6/18
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