Strasbourg St. Denis
Strasbourg St. Denis は Roy Hargrove の楽曲.ジャズの楽曲の中で一番好きかも,というくらい好き.曲名は,そういう名前の駅がパリの地下鉄にあるらしい.英語の発音で読むと笑われる. https://youtu.be/1VmO8n8BTFY
曲の構成自体は非常に単純で,終始延々と同じコード進行の8小節を繰り返して進むのだけど,その制約の下で如何に格好いい演奏ができるか,という部分にジャズの本質が詰まっている.ピアノの弦を抑えながらカッティング的に弾くソロ,後ろで力強く静かに支えるリムショットから,ピアノソロが盛り上がるに従って煽るようなドラミング (特に,次はどんなフレーズが飛び出すのだろう!と期待させるフィルイン!),ライブ感溢れる心地よいアウト,終始クールに,しかし楽しそうに曲全体を支え続けるベース,白熱したピアノ・ソロの後に一瞬で自分のペースに引き込む Roy Hargrove のトランペットの音色,ソロの後の観客の拍手と歓声,テーマに戻って来たときの,これで終わってしまうのかという物悲しさと,フィナーレの高揚感.ジャズって楽しい!と思わせてくれる名演ですね.