α7Cのお供レンズ考察
ソニーのフルサイズミラーレスカメラの新コンセプト、α7C が2020年9月15日に発表され、9月18日にソニーストアでの予約が開始された。PS5関連の情報公開日時と重なったためにソニーストアが過負荷で死にかけていたが、なんとか初期ロット分の予約に成功した。
https://gyazo.com/460cb38502979f8eeacb3acab7d388dc
色は迷ったが、とりあえずシルバーにした。たぶんシルバーを買う人の割合が圧倒的に多い気がする。レトロカメラ風な感じが格好いいよね??
→ と思ったが、後日、諸事情あってブラックに変更した。詳しくは書かないが、僕にはブラックでなければならない理由があった。
2019年初頭にAマウントのカメラ本体とレンズをすべて売っぱらったため、約1年半ぶりにレンズ交換式カメラの沼に復帰する。一眼のない期間は RX1RM2 と RX100M6 で主に子どもたちの撮影を楽しんできた。今の僕の用途だと子ども撮りがメインなので、とにかく小さくて軽いことが最重要なのだ。Aマウントをすべて手放す気になったのも、とにかくヘビー級のカメラとレンズを持ち出すのが億劫だったからだ。
で、ここに来て世界最小・最軽量 (※ ファインダー付き、手ブレ補正あり、などの諸条件下において) のフルサイズミラーレス一眼であるα7Cが発表になった。これは買うしかない。ワクワクが止まらない。お気に入り普段使いのフルサイズコンデジ RX1RM2 はとても良いカメラだが、発表から約5年が経過 (性能的にはα7R IIと同じ世代) し、最新の機種と比べると主にAFまわりで機能の見劣りを感じ始めていたところでもあった。現に、動きの激しい子ども撮りでの写真の歩留まりはそれほど高いとは言えない状態だ。(それでもたまに息を呑むような写真が撮れるので、RX1RM2を手放すつもりは全くない。)
FEマウントデビューするにあたり、レンズをどうするか考えなくてはならない。独身時代と違い、欲しいレンズを闇雲に買うのは難しいため、ユースケースを絞って購入するレンズを決めていく。
今後、どういうシーンでα7Cを使うか?
自宅で子どもを撮影 (頻度★★★)
自宅で誕生日やクリスマスのパーティを行う際の家族写真 (頻度★)
子どもと散歩中のスナップや動画撮影 (頻度★★)
子どもと公園に遊びに行った際の撮影 (頻度★★)
子どもの運動会やお遊戯会の撮影 (頻度★)
街角スナップ (頻度★)
家族でおでかけ or 小旅行。車で移動するので荷物にゆとりがあるケース (頻度★★)
家族でガチ旅行。飛行機や新幹線利用で荷物に制限があるケース (頻度★)
実家帰省 (頻度★★)
冷静に考えると、 これらのシーンをカバーするだけなら RX1RM2 と RX100M6 でだいたい何とかなるんだよな。そもそも好みの画角が35mmなので、フルサイズカメラはRX1RM2でよくね?感は否めない。ただ、前述の通りRX1RM2の設計がやや古く、AFを最新化して写真の歩留まりを上げたいのと、RX系はバッテリーの持ちが壊滅的にイマイチなので、この点もα7Cに期待したいポイントの一つである。よって (出来レース感はあるが) α7Cは必要なのだ。
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ではレンズを考察していく。
α7Cはキットレンズ付きにしたので、FE 28-60mm F4-5.6 (SEL2860) を持っている前提で考える。追加レンズはせいぜい2〜3本でやり繰りしたいところだ。レンズを選ぶ際に重視するポイントは、α7Cの軽量ボディを活かすためにも、とにかく小さくて軽いことを重視する。この時点で多くのGレンズやZeissレンズ、G Masterレンズがスコープ外になる。
なお、標準ズームはキットレンズ (SEL2860) 以外は考えない。重量とサイズを考えるとSEL2860が最強。事前情報では描写性能はなかなか良好らしく、何よりも重量がたったの167gしかないんだってよ!
では改めて、標準ズーム以外の候補を考察していく。
35mm単焦点
やはり個人的に一番好きな画角である35mmの単焦点レンズは持っておきたい。これだけは絶対に外せない。
候補:
SONY FE 35mm F1.8 (SEL35F18F) / 280g
SONY Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA (SEL35F28Z) / 120g
SAMYANG AF35mm F1.8 FE / 210g
SAMYANG AF35mm F2.8 FE / 86g
ソニーの2本は価格はほぼ同じ。明るさと重量がトレードオフの関係になっている。どちらも良いな、悩ましい。軽さを取るか、明るさを取るか。SEL35F18Fはリリースされて間もないのと、各種レビュー記事での評価が非常に良いため、SEL35F18Fが一歩リードしている。22cmまで寄れるという点も非常に大きなアドバンテージだ。SEL35F28Zは発売されてから随分と日数が経過しているし、SEL35F18Fと比べると暗くて寄れない点がデメリット。
サードパーティからは、SAMYANGの35mm F1.8がちょうどα7Cと同時期に発売される模様。純正のSEL35F18Fよりも価格は抑えられており、サイズが小さく重量も軽いとのことだ。このレンズの評判が悪くなければ総合的にはこれが良い可能性もある。まだ作例なども少なく、追加情報を追うべきモデルだ。SAMYANGのパンケーキレンズであるAF35mm F2.8 FEも重量でいうと最軽量のモデルだが、暗いのと周辺光量落ちが顕著らしいので見送り候補。
一方で35mm単焦点はRX1RM2があるため、購入自体を見送るという選択肢もある。RX1RM2とα7Cの2台持ちが可能な状況であれば35mm単焦点はRX1RM2に任せ、α7Cはズームレンズでサポートに徹するという使い方も考えられる。ただ、子ども撮りでα7Cのリアルタイム瞳AFなどで写真の歩留まり向上が見込まれるようであれば、35mmは最も好きな画角であるためα7Cで使いたい。それにα7Cとともに持ち歩くとしたらRX100M6になるだろうし、α7CとRX1RM2を2台持ちするケースはかなり限定される。よって 35mm単焦点は必要 という結論になりそうだ。
ポートレート用途の単焦点 (50mm or 85mm)
子どものポートレート目的で標準50mm or 中望遠85mmの明るい単焦点レンズは持っておきたい。50mmは汎用性が高くて使える場面が多そうだが、85mmは自宅リビングの室内撮影には向かない画角なので、散歩や公園に行った際の撮影がメインの使い方になるだろう。純正撒き餌レンズのSEL50F18FはAF性能が悪いようなので子ども撮影に向かないのと、ブリージングが割と出るようなので除外する。
候補:
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA (SEL55F18Z) / 281g
FE 85mm F1.8 (SEL85F18) / 371g (重い😫)
SIGMA 45mm F2.8 DGDN (Contemporary) SE / 215g
SAMYANG AF 75mm F1.8 FE / 230g → 価格と重量が魅力的だが、AF性能がイマイチらしいのでやめた
まずは巷で神レンズと称されているSEL55F18Z。明るいしまずまず軽い (281g) が、発売から7年が経過しているし、次期モデルを待っても良い時期に来ている気がする。
SEL85F18は値段の割に評価が高くて良さそう。やや重い (371g) という点が引っかかるポイントではあるが、85mmの大口径という点を考慮すると妥協できる範囲か。子どもの撮影において85mmはやや窮屈ではあるものの、SEL85F18はポートレート用レンズ候補としては最上位だ。キットレンズではカバーできない焦点距離であり、何よりも85mm大口径レンズの前玉の格好良さといったらグッとくるものがある。わたくし、Aマウント時代から85mmの大口径レンズ萌えなんですよ。それになんと今ならキャッシュバックキャンペーンで1万円引きになるのも背中を押してくる…。というわけでポートレート用途でのSEL85F18はほぼ当確。
SIGMAの45mm F2.8も軽いし22cmまで寄れるし良さそうだが、50mm前後の標準単焦点に関しては今すぐ買わなくてもなんとかなると判断し、SEL55F18Zの次期モデルを待つか、静音モーター駆動でAF改善版の無印50mm F1.8単の発売、あるいはサードパーティ製の魅力的なレンズが出てくるまで購入を見送ることにする。
高倍率ズーム
Aマウント時代にも高倍率ズームレンズにはお世話になった。旅行など、多くの荷物を持っていけないケースでは非常に重宝する。ただ、今は最強の旅行カメラであるRX100M6を持っている。このカメラ、換算で24 〜 200mmという焦点距離をカバーする上に画質もそこそこ良い。旅行はとにかくポータビリティ性能が最重要であり、RX100M6にある程度任せることを考えると、重たい高倍率ズームを持っていく必要性が乏しい。
候補:
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071) / 575g
SONY FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (SEL24240) / 780g
むむむ、タムロンのModel A071はすこぶる評判が良いぞ。ワイド端が24mmではないのが残念ポイントだが、便利ズームなのにかなり解像するし寄れるし、明るめのズームレンズにしてはそこそこ軽いし、めっちゃ良いやんけ。便利ズームだが運動会などへの適性もある。運動会で200mmだと物足りないと思われるが、妥協の余地はある。
SEL24240はワイド端、テレ端ともにタムロンよりもカバー領域は広いが、かなり重たく、描写性能ではタムロンが勝っているようだ。というわけで買うならタムロン。
ただ、これも急いで買う必要はなく、現時点では普段使いもしないと思うので買わなくても良さそうだ。
望遠ズーム
スポーツ観戦や野鳥撮影のために欲しいのが望遠ズーム。AマウントではSAL70300Gが非常に評判がよく、僕も愛用していた。主に野球観戦や、桜、紅葉、野鳥撮影などの用途で使っていた。ただ、これらの用途に関しては今の僕には不要だ。のんびり写真撮影に出かけるのは難しい人生になっている。今後必要になるとしたら子どもの運動会用途だ。
候補:
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) / 810g
SONY FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS (SEL70300G) / 854g
SONY FE 70-200mm F4 G OSS (SEL70200G) / 840g
(追記) TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047) / 545g
F2.8通しは魅力的だがやはり300mmは欲しくなりそうだ。お馴染みのSEL70300Gが有力候補。ただし、COVID-19の影響で今年は子どもの運動会がなくなり、野鳥や紅葉撮影にも行かないと思うのでズームレンズは現時点では用途がない。よってこのレンズは 必要になったときに考える で良さそうだ。
(追記)
なんとTAMRONから小型の望遠レンズModel A047が発表された。テレ端がF6.3と明るさが犠牲になっているものの、このクラスにしては545gと非常に軽量だ。しかもとても安価。買うならこれ一択と言っても良い気がする。今後、作例をチェックしていきたいレンズだ。
超広角
かつて風景や夜景の撮影にドハマりしていた頃を思い返すと、押さえておきたいのが超広角レンズ。ただ、子どもメインの現在は利用頻度は少ないと考えられる。もちろんあって損はないが、風景や夜景をじっくりと撮影しに行く機会が皆無になっている現状では無用の長物になることが想定される。とはいえ旅行や街角スナップに出かける際はバッグに忍ばせておきたいレンズでもある。となると、重量を考えるとやはりズームレンズよりも単焦点が候補になる。超ド田舎の僕の実家への帰省時、星空撮影するときなども明るいレンズのほうが良いしね。
候補:
SONY FE 12-24mm F4 G (SEL1224G) / 565g
SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS (SEL1635Z) / 518g
FE 20mm F1.8 G SEL20F18G / 373g
SAMYANG AF 18mm F2.8 FE / 145g
TAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050) / 220g
ズームレンズからは2本。憧れは12-24mmという超弩級の広角領域だが、現時点でどちらかを選ぶとすれば子ども撮影の利便性を考慮してSEL1635Zだろうか。ただ、12mmという体験したことのない画角は見てみたい気もする。いずれにしてもスナップや旅行で持ち歩くには超広角ズームは重たく大きいため除外が濃厚。
となると単焦点レンズ。候補は3本ほど。描写性能で選ぶなら断然SEL20F18Gだが、気軽に持ち出すにはやや重たい (→ 373g)。となるとTAMRONかSAMYANGの広角単焦点が候補に入ってくる。TAMRONの Model F050、なんと11cmまで寄れるらしく、等倍マクロとはいかないまでもハーフマクロとして使えるようだ。一方のSAMYANGは軽いし作例を見る限りでは写りもシャープで良さそう。画角も2mmも広角だ。ただしTAMRONほどは寄れない (25cm)。ただ、超広角レンズでの近接性能はそれほど重視する必要はない。となると、TAMRONとSAMYANGの比較ではSAMYANGに軍配。
...などと考察してみたものの、SAMYANG AF 18mm F2.8 FE を買ったとしても最終的にはSEL20F18の描写性能が気になって欲しくなるのは目に見えている。そういうものなのだ。買うなら最初からSEL20F18Gが良いに決まっている。なんなんだこの考察は。
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まとめ
全体的に重量よりも描写性能を重視してしまったようにも見えるが、要はバランスなのだ。重量はそこそこで写りの良いレンズがベストな選択肢なのだ。はい、わたしは 要はバランスおじさん です。
というわけで、何となく分析してみたところ、α7Cのお供として買いたいと言えるレンズは単焦点が3本。
とりあえずα7Cと同時に買いたいもの
FE 85mm F1.8 (SEL85F18)
FE 35mm F1.8 (SEL35F18F)
FE 20mm F1.8 G (SEL20F18G)
必要になったら買うもの (子どもの運動会など)
望遠ズーム → 候補は TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)
将来、良さげなものが出てきたら買いたいもの
50mm前後の明るい単焦点
不要なもの
超広角ズーム
高倍率ズーム
G Master や SIGMA Art などのヘビー級レンズ
何日か悩んでとりあえず結論を出した。これ以上の調査は控え、静かにα7Cの到着を待とうと思う。レンズの評価や作例を調べていると時間が無限に溶けていく。時間の無駄使い以外の何者でもない。
α7Cの発売まであと1ヶ月、待ち遠しい。
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